講談社文庫 多国籍企業殺人事件

著者名：和久峻三【著】

講談社（2020/03発売）

• ISBN：9784061360631

内容説明

海野海運は、四ノ宮紗代の乱発した小切手の決済ができず、苦境に立った。紗代の背後には、事件を契機に会社乗っ取りを謀る大海運会社の、むきだしの野望が感じられる。時あたかもエネルギー危機の最中で、国際石油戦争は熾烈に展開される。会社の存亡を賭けて、巨大企業の謀略と闘う男の魅力を、雄大なスケールで描く冒険推理。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[ヨーコ・オクダ]

これ結構難しい。海運事業、中東情勢、石油問題、会社法等の知識がある人は問題ないと思う。取引会社から吸収合併の話を持ちかけられている海運会社。手形を利用した嫌がらせを何とか切り抜けた矢先、自社内の役員の裏切り行為により結局会社は倒産。さらに社長・海野は罠にはめられ殺人容疑者に…と、ここから急にグローバルな展開！彼を支援してくれる会社の取り計らいでアラブ諸国へ飛び、命がけのミッションに挑む。無事にミッションを完了し日本へ帰国できるのか？主人公はもちろん海野やけど、真木弁護士の仕事っぷりが地味ながら効いている。

2020/09/15