角川書店単行本<br> 眠りの神

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角川書店単行本
眠りの神

  • 著者名:犬塚理人【著者】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • KADOKAWA(2020/02発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041089057

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内容説明

スイスで黙認されている安楽死=自殺幇助を行う団体のスタッフである若き医師・絵里香は東京で起こった自殺幇助事件の真相を確かめるために日本に渡る。尊厳を守るため死を選ぶことは正しいのか、それとも――。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nobby

158
結局、殺すも生かすも人間の術なく天命に任せるでいい気がする…それは実際の伴わない愚者の戯言だけれども…安楽死という難解な主題を、否とみなす日本と可とするスイスはじめ諸外国の考え方の違いに重ねながら一気に読ませるリーダビリティはスゴい!専門的な見解よりも、あえて身近な事象や心情で描くのが分かりやすい。本人が楽を求めた決断を残された者は悔み続けるという事実が重く響く…ただ、ミトリなる存在による自殺幇助の正体は意外ではあったものの、ほぼ構成から予測出来るままアッサリ…スッキリしないラストはテーマ故にやむを得ず…2020/06/20

machi☺︎︎゛

140
スイスの自殺幇助団体、ヒュプノスに所属する医師のエリカ。母の死をきっかけに苦しむ患者が望むならば安楽死により尊厳ある最後を迎えさせてあげたいと思うようになる。そんな時日本からの依頼の調査で一度日本に帰る事に。実はこの帰国には他の目的もあって、エリカは今日本で起きている癌患者が何者かに自殺幇助を受けて亡くなるという事件の調査もする事になる。安楽死についてはいくら考えても正解のない、答えの出ない難しい問題だと思うが死を自ら望むほどの絶望感や痛みが怖いと思った。2021/07/12

よつば🍀

120
デビュー作「人間狩り」で一気にハマってしまった犬塚さんの二作目。本作もただのミステリーだけに留まらず、日本国内ではまだ認められていない安楽死についても深く考えるきっかけとなった。主人公はスイス人の父と日本人の母を持つ医師・絵里香・シュタイナー。東京で起きた自殺幇助事件の真相を確かめる為に日本に渡る所から物語は展開して行く。自殺幇助団体“ヒュプノス”の元メンバー・神永がひた隠す秘密に胸を打たれるも、立て続けに起きる自殺幇助事件と合間に挟まれる犯人の日記には不気味さを感じる。予想外の犯人とエピローグは衝撃的。2020/05/03

モルク

117
スイスに住むハーフの医師絵里香は終末期患者の尊厳死を幇助する団体ピュプリスにも所属している。日本で連続している安楽死事件にかつてピュプリスのメンバーだった医師神長の関与を疑い、絵里香は自殺希望者の面談で来日した際神長を探すこととなる。ミステリー仕立てではあるが安楽死について考えさせられた。以前NHKで「彼女は安楽死を選んだ」を見た。重い難病に苦しむ彼女は安楽死を望み姉を説得しスイスに渡った。医師とのやり取り、姉に感謝を告げ静かな死を迎える。彼女の選択と向き合った家族、それを否定することはできなかった。2021/04/26

タイ子

111
先日も京都で起こった安楽死事件。日本では法的に認められていない自殺幇助が大きな問題提起を投げかけているが、この作品も色んな事を考えさせてくれる。スイスの自殺幇助団体のボランティアをする女性が東京で連続して起きているある殺人事件を調べに日本にやってくる。安楽死を求める患者が苦しんで死ぬとは。それに関わった一人の人間の身勝手な欲望。スイスと日本の相違、ミステリー要素の中に含まれる安楽死、尊厳死、自殺幇助。何が正しくて何が間違っているのか、日本で答えが出されるのはまだまだ先なのかも知れない。望むのは安らかな死。2020/08/05

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