The Rose Garden of Fukushima 失われた福島のバラ園

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The Rose Garden of Fukushima 失われた福島のバラ園

  • ISBN:9784418202034

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内容説明

広大な敷地に750種類のバラが咲き誇り、年間5万人の来園者に愛された福島県『双葉ばら園』。2011年3月11日以降、その姿を変えてしまった花園の、かつての瑞々しい美しさを伝える写真集です。著者はアメリカ人元テレビキャスターのマヤ・ムーア氏。ニュースでバラ園を知り、被災者への祈りとともに、世界中にその存在と物語を伝えたいと、情熱に突き動かされました。バラ園の主・岡田勝秀さんの、復活の物語でもあります。
2014年刊行の英語版が世界バラ会連合世界バラ会議2018優秀文学賞を受賞。本書は待望の日本語版です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

90
著者マヤ・ムーアは2012年双葉ばら園の物語を知り、世界中に伝えたいと2014年英語で出版した。前半は岡田勝秀が1968年に開園し、毎年5万人もの来園者が訪問し、オールドローズの小径、野ばらの小径と次々に完成させて行った美しい薔薇とばら園の写真から成る。そして後半は、2011.3.11以降原発による避難地域となり、見る影もない園の姿。だが松田久子氏の働きかけもあり、銀座で写真展を開き、70才になる岡田はまたバラを植えることを始める。2018年世界バラ会議にて優秀文学作品に選ばれ、その邦訳版。感涙必至の書。2021/09/23

G-dark

27
3.11当時、バラたちもきっと何が起きたのか分からず混乱したことでしょうね。突然大きな地震が起きたと思ったら、何だか周りの様子がおかしくなって。自分たちに長年惜しみない愛情を注ぎ続けてくれた岡田さんが、急にお世話をしに来られなくなって。自分たちの美しい姿を愛でてくれたお客さんたちも、急に来られなくなって。どんな思いで枯れていったのでしょうか…。声を出すことが出来ないバラたちの悲鳴が聴こえてくる気がして、この本を読んでいると心が痛みます。原発事故が奪ったものは余りにも大きい…。2021/09/07

りりるら

11
ページをめくった瞬間に涙があふれた。それは放置されたバラ園の写真だった。バラに恋をして愛情を注ぎ続けてきたバラ園に起きた悲劇。福島原発事故。毎日、長靴を履き泥にまみれて世話を続けてきた岡田さんの失望。 倉本聰さんの序文も素晴らしかった。「森の樹々にも小さな草花にも人の感情に相当する感性が備わっていると僕には思える」そうだ。やっぱりバラ園のバラたちは泣いている。美しく咲きたいと叫んでいる。2021/07/25

入道雲

10
あまり花をじっくり見る趣味はないのだが、とあるきっかけでこの本を読んだ。芸術としか言えないバラの写真が丁度よい装丁で美しいが、そこに書かれるものには胸を打たれる。原発事故が奪ったものの一つがこれだとは。冒頭の倉本聰の文や巻末のいくつかの文もグッとくる。2020/08/05

ichigomonogatari

8
福島、双葉にこんな素敵なバラ園があったなんて。しかし原発事故の後、期間困難地域となり今は打ち捨てられ無残な姿となっている。丹精込めて、長い時間をかけてバラ園を作りあげ、「森に沈むバラ園」という企画を新たに立ち上げようとしていた矢先だった。園主、岡田氏の独創的な発想で作りあげられた庭園に咲きこぼれるバラたちの写真にうっとりしたあと、バラの咲いていない庭の写真をを目の当たりにしたとき、大きなショックと悲しさが胸に沸き起こる。新たなバラ園の実現を私も心から願う。2021/06/23

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