集英社新書<br> 五輪スタジアム 「祭りの後」に何が残るのか

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集英社新書
五輪スタジアム 「祭りの後」に何が残るのか

  • 著者名:岡田功【著】
  • 価格 ¥924(本体¥840)
  • 集英社(2020/02発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087211108

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内容説明

祭りが終わった後、巨大施設はどうなるのか? 誇らしい「遺産」として残るのか、それとも、使い道のない「廃墟」になってしまうのか。二〇二〇年東京五輪の終了後に残されるのは「施設の後利用」という困難な課題である。著者はハーバード、オックスフォード留学時に「五輪スタジアムの維持・運営」を研究テーマとし、一九七二年ミュンヘン大会以降の夏季五輪開催地について、メインスタジアムの「五輪後」の稼働状況、運営形態、維持費の実態等について調査を行った。世界中の五輪開催都市が巨大スタジアムの扱いに苦闘している現状を具体的に明らかにするとともに、新国立競技場をめぐる東京の近未来について提言を行う。【主な内容】○「建て替えできない」スタジアムの生存戦略(1972ミュンヘン) ○30年間の「空き家」が企業オフィスに変貌(1976モントリオール) ○固く門が閉ざされた巨大スタジアム(1980モスクワ) ○築90年の「遺産」を大学が引き受けた(1984ロサンゼルス) ○7万の観客席で観衆1000人のホームゲーム(1988ソウル) ○バルセロナ再生の落ちこぼれ(1992バルセロナ) ○球団に逃げられたスタジアム(1996アトランタ) ○政府が買い戻して大改修に着手(2000シドニー) ○そして「廃墟」だけが残った(2004アテネ) ○商業化は頓挫し、維持費は観光客頼み(2008北京) ○建設費は602億円、改修費は452億円(2012ロンドン) ○公共料金も払えないスタジアム(2016リオデジャネイロ) ○そして、新国立競技場

目次

はじめに
第一章 世界の五輪スタジアム(一 「建て替えできない」スタジアムの生存戦略
二 三〇年間の「空き家」が企業オフィスに変貌
三 固く門が閉ざされた巨大スタジアム
四 築九〇年の「遺産」運営を大学が引き受けた
五 七万の観客席で観衆一〇〇〇人のホームゲーム
六 バルセロナ再生の落ちこぼれ
七 球団に逃げられたスタジアム
八 政府が買い戻して大改修に着手
九 そして「廃墟」だけが残った
一〇 商業化は頓挫し、維持費は観光客頼み
一一 建設費は六〇二億円、改修費は四五二億円
一二 公共料金も払えないスタジアム)
第二章 負の遺産化を防ぐカギ
第三章 そして、新国立競技場(二〇二〇年東京)
おわりに
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

臓物ちゃん

3
国威発場のために築かれた目新しいススポーツの斎場も、祭りが終われば巨額の維持修繕費をむさぼり食う巨大なクソとなる!そんな万国が例外なく苦悩する五輪スタジアムのその後の運営で、祭典中は見えなかった各国の真価が見えてくる。廃虚まっしぐらのリオ、難民も逃げ出すクソ具合のアテネ、観光費でなんとかやってる北京、巨大すべり台を設けたロンドン、そして速攻で野球場に改築するも近くにピカピカのやつ建てられて爆死するアトランタ……。そんな国際しくじりリンピックを通してTOKYO2020のその後を占った一冊。オススメ。2020/05/25

mochizo

2
この問題が、今後東京に突き付けられるわけですね。ほとんどの五輪スタジアムが大会後実運営に至っていない現実を考えると、日本の新国立競技場も同じ運命たどりそうですね。国立競技場を「ホワイト エレファント」にしないためにも陸上と球技場をうまく見せる方法が必要なのかもしれませんね。2020/05/25

たろーたん

1
五輪スタジアムは、使い道がなく維持費だけが高くつく無用の長物、通称「ホワイト・エレファント」になりやすい。建物は完成すればそれで終わりではなく、竣工から解体・廃棄されるまでの期間に建設費のおよそ4~5倍の費用(ライフサイクルコスト)がかかると言われている。ちなみに、事務所ビルの場合なら、40年程度良い状態に保つためには建設費の9倍のコストが必要との研究もある。五輪スタジアムもこの例から漏れることはない。(続)2024/07/30

yusatoh

1
オリンピックスタジアムが当初の計画から変更されたのは東京だけでない事を知った。 昔はスタジアムの数自体が少なかったこともあり、オリンピック後の活用案を考える必要がなかったが近年は必須。それでもホワイトエレファントと呼ばれる、使い道がないのに維持費だけが高くつく建物や設備になってしまう。 あとは、トラックの撤去が有効活用こ鍵になっている。 新国立競技場は逆を行っている。2022/11/27

tdyskd

0
白紙となった新国立競技場のザハ・ハディドのデザインでは、集客用の設備として、屋根の上の散歩を楽しむ『スカイウォーク』を構想していたとは知らなかった。2021/06/10

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