内容説明
アスタルト王国軍務省錬金術対策室室長にして自らも錬金術師のテレサ・パラケルススと青年軍人エミリアは、水上蒸気都市トリスメギストスへ赴いた。大企業メルクリウス擁する錬金術師フェルディナント三世が不老不死を実現し、その神秘公開式が開かれるというのだ。だが式前夜、三世の死体が三重密室で発見され……世界最高の錬金術師はなぜ、いかにして死んだのか? 鮮やかな論理が冴え渡るファンタジー×ミステリ長篇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
koma-inu
78
世界に7人しかいない錬金術師の1人が、三重密室の中で殺害。同じく錬金術師のテレサ大佐(♀)が謎に挑む。うーん、これはとんでもなくすごい作品!巧妙な特殊設定トリック、解答編の後にひっくり返す、もう一つの解答編。そして、ラストに示される衝撃。テレサは最近のミステリでは流行り?の女王様的性格で、ワトスン役のエミリア少尉との掛け合いが絶妙、萌えです。2人の秘密が終盤に明かされ、自作に期待してしまう、キャラ立ちファンタジーミステリの傑作です。2022/03/27
cinos
68
「ハガレン」が好きです。 ハガレンの世界に三重密室の殺人という本格ミステリを放り込んだみたい。 主人公の錬金術師も助手もキャラが立っていて、どんでん返しもあって、よかったです。 テレサ様、続編、希望します。2020/04/25
刃の下に心あり
61
★★★★★ファンタジー系のライトミステリと思っていましたが、めちゃくちゃ面白かったです!☺確かにラノベ調だったりキャラ設定がアニメっぽいのですが、錬金術という特殊設定を活かした本格ミステリを楽しめました♪探偵役とワトソン役の掛け合いも絶妙で面白く、殺人事件が起こらなくても充分楽しめそうなストーリー展開です♪事件はというと、三重密室です。錬金術という設定なら何でもあり…とはならず一定のルールがあるのも良かったです。細かな伏線、ロジカルな謎解き、二転三転のどんでん返しにもうお腹いっぱい大満足な一冊でした♪😉2022/04/06
こら
53
錬金術が実在する、現世とは異なる理に支配された世界。女錬金術師とその助手が著名な錬金術師の殺人に巻き込まれて…というのが大筋の流れ。しかも現場は三重密室!三重密室が、ある盲点から快刀乱麻を断つが如く解けていく終盤はまさに作者にやられた。 ラストを読むと、最初は反目しあってたテレサとエミリアが良いバディになっている。キャラの造形も固まっていて、既に世界観も構築されているようなので、またこの世界に行ける楽しみが増えました☆2021/02/21
よっち
53
世界に七人しかいない錬金術師。その一人アスタルト王国のテレサ大佐が、お目付け役エミリア少尉と赴いた蒸気都市トリスメギストスで錬金術師フェルディナント三世の殺人件に遭遇するファンタジーミステリ。フェルディナント三世が成し遂げたという魂の解明。三重密室で起きた殺人事件の容疑を晴らすため、破天荒なテレサと振り回されるエミリアのコンビで事件解決に挑む展開でしたが、事態が二転三転する中で見えた意外な真相と、因縁に導かれるように出会った真逆の似た者同士の結末には唸らされました。これは続巻に期待せずにはいられませんね。2020/03/08