内容説明
数多の文豪たちと恋した作家の宇野千代。女性の憧れとして輝く、千代の奔放人生。大正、昭和、平成をまたにかけて活躍し、すぐれた作品を残したほか、尾﨑士郎、東郷青児、北原武夫ほか、梶井基次郎、青山二郎など数多の文豪・文化人たちと恋し、奔放に生きた女としても知られる。今も憧れの女性として輝く宇野千代の人生とは何かを探る。『婦人公論』連載中から話題を呼んだ人物ノンフィクションの待望の文庫化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たかの
14
宇野千代さん晩年のエッセイはそりゃもうファンキーなお婆ちゃんってイメージで。病気の事なんて口にしてんじゃねーよ。辛気臭いわね。的な印象だったんですが。。。こんなに恋多き女性だったとは。書いては愛し、愛しては書いて。。人間がやり過ごす時間を文学に出来るのは限られた人なんだなぁ。やっぱ。 不倫は文化だ、文学だ、芸の肥しだ。なんて一般人には言えないんだわ。 あ、ちなみに不倫は経験した事ないんですがね、、、2020/02/29
晴柊のばあば
5
「生きて行く私」を他人が書いたらこうなるのか。好きになったら、結婚していようが関係ない、姦通罪があったあの時代に。でも、生涯に家を11軒建てたという経済的に自立した凄い女性であり、愛した男に尽くす愛らしい女性でもあった。晩年の宇野千代さんの写真を見ると可愛いおばあちゃんというイメージなのですが。2020/06/13
秋
2
強くしたたかに、たくましく、艶やかに恋に生きた宇野千代の人生を辿った一冊。 壮絶といえば壮絶な人生だけど、女として生きることがやっぱり楽しいとけろっとしてる千代が良い。 まるでその場にいたかのような細かい官能的な描写にどきどきしたり、愛した人と心が離れていくことに胸が痛んだり、読み終えて、良い意味で疲れた。2020/03/18
高坂圭
1
恋多き人とは聞いてはいたが、 いやー、ここまでとは。 しかもお相手は、尾崎士郎、梶井基次郎、 東郷青児、北原武夫と才にあふれ 一癖も二癖もある芸術家ばかり。 まだ無名だった彼らを、当時流行作家の 千代は、惜しげもなくお金を費やし 尽くす。 とはいえ、彼女もつわもの。 好きな男に出合ったら、火がついたら 止まらない。 とうぜん、二股、三股もなんのその。 最後に男と寝たのは78歳のとき。 まさしく、「愛して生きた」人生だった。 いやー、あっぱれ。 2023/03/16
でろり~ん
0
大きなメガネをかけたおばあさん、っていう印象しかなかった宇野千代。へええ、って感じでした。面白い一冊。にしても、なんだってこんなに、みんな、肉食系なのか。それが普通だったってことなんでしょうかね。今の日本人、生命力、ないのかも。2023/06/09