内容説明
東京地検特捜部。日本の「聖域」、政治と経済の中枢に切り込む「ドブさらい」集団。「巨悪を眠らせない」を使命とする特捜検察が摘発に乗り出した、平成時代の「巨悪」とは何だったのか? バブルに酔いしれた「カネ余り日本」の贈収賄事件、金融・建設業界と政官との構造的癒着。「最強官庁」の汚職に切り込み、日本の市場構造を塗り替えたと言われる大蔵省汚職事件。特捜部長としてこの空前絶後の事件捜査を指揮したキーパーソンが、政官財を巻き込んだ重大事件と激動の平成30年史を検証する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サトシ@朝練ファイト
28
リクルート事件から大蔵省の接待まで取り上げます。検事の人名図鑑?としても興味深いな、現特捜部長とのつながり、いろいろ問題な現東京高検検事長、名古屋高検検事長も出てきます。吉永祐介曰く「河井、吉永、熊崎」か。矛盾するいわゆる検察官の独立と検察一体の原則のすり合わせのシーンが印象に残った。不正な定年延長?の意見も伺いたいものだ。2020/02/24
とみやん📖
11
リクルート事件から大蔵省接待事件まで、特捜部の中枢で検察として活躍してきた熊崎勝彦氏への、インタビュー。元NHK記者の鎌田靖氏によるものだが、適度に解説があり、時代背景なども知ることができる。ほとんどテレビ等の報道で馴染みのある事件だったが、野村證券や興銀の事件以外はきちんと顛末を知らず、平成を生きてきた日本人の1人としてきちんと把握しておきたいと思っていた。精密司法という言葉を初めて知った。熊崎氏の言葉の端々から、何より証拠を大切に扱う、検察のプロとしての心髄に触れる思いがした。良書だと思う。2022/10/16
Katsuto Yoshinaga
9
リクルート、共和汚職、金丸信巨額脱税、ゼネコン汚職、総会屋利益供与、大蔵省汚職といった有名事件の担当検事の対談。私の社会人史とほぼ並行しているわけで興味深くないわけがない。「(検事は)一人ひとりが独任官庁です。すなわち一人ひとりが国家機関」「いかなる人も真実に対してはつねに頭を垂れよ」という熊崎元東京特捜検事部長の言葉が、ドブさらいと呼ばれながらも政治と経済に切り込む特捜検事の心意気を見せつけ、痺れさせられた。先の事件捜査の栄光とともに、大阪地検証拠改竄事件による没落も語られている。(コメに続く)2020/03/22
タカボー
8
リクルート事件、金丸元副総裁の脱税事件、中村喜四郎代議士の斡旋収賄事件など子供の頃の記憶にある事件から、最近の日産ゴーン元会長の事件まで。当時の特捜部検事とNHK記者の対談形式。名検事と言われた人だけあって、言葉が真理をついている。人格対人格、誠実でなければ真実は出てこない。どんな人間関係でも違う仕事でもプライベートでもそうだと思う。仲間の検事の能力や、時には逮捕立件しようとする相手に対してもとても敬意を払ってるところが印象に残った。2021/08/13
都人
2
本のタイトルには「深層」とあるが、退官後も守秘義務は解けず、「感想」が書かれている。2020/03/17
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