中公新書 統計分布を知れば世界が分かる 身長・体重から格差問題まで

著者名：松下貢【著】

中央公論新社（2020/02発売）

• ISBN：9784121025647

内容説明

一見バラバラに見えるデータでもグラフにすれば特徴が浮かび上がる。身長やテストの点数は真ん中が一番多い釣鐘型のカーブ（正規分布）に、地震の頻度やウェブの被リンク数は右肩下がりの曲線（べき乗分布）になる。そして体重や町村の人口は、釣鐘型だが左側が縮み右側が伸びたカーブになる（対数正規分布）。なぜ世界のほとんどの物事はこの３種類になるのか。仕組みを説明し、データに潜む真理から何が読み取れるかを明かす。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[gonta19]

2019/11/10 Amazon より届く。 2021/9/13〜9/16 統計の本を最近何冊か読んでいるが、本書は物理学が専門の先生が、実社会に即して、３種類の統計の活用を説いている。専門分野はえてして、専門家は厳密すぎたり、学問的すぎて分かりづらいケースがあるが、本書は周辺領域の先生ということもあり、分かりやすかった。

2021/09/16

[kinkin]

６月の１冊目。正直なところ途中で挫折撃沈・・・・統計は会社時代すこしやっていたのでなんとか正規分布くらいまではついていったけれどそのあとは複雑な公式が出てきてもうわからなかった。amazonのレビューでは中学生でも理解できると書かれていたがかなり高度な内容だと思った。この手の本はやっぱりダメなことを実感・・・・図書館本

2020/06/01

[佐島楓]

数学が苦手でも、最低限グラフが読めれば細部を読み飛ばしてもだいたいは理解できるつくりになっている。それでも私には難しかった。世界を大づかみにするひとつのツールとして、数学の重要性を改めて知る。

2019/11/08

[molysk]

世界のほとんどの分布は３種類になるという。ばらつきが加算的に積み重なる過程は、中心極限定理で正規分布に収束する。階層構造を持つ複雑系で、特徴となる大きさがないスケールフリー性を持つものは、べき分布に従う。多くの複雑系は、その歴史でばらつきが乗算的に積み重なり、対数正規分布となる。世界各国のGDPや介護の期間などは、おおむね対数正規分布になるが、分布の裾は分布から外れることがある。この外れは格差の表れである、としてその是正についての議論はやや説教臭いが、エンジニアがよく出会う対数正規分布の説明は明快だ。

2020/04/12

[おせきはん]

正規分布、べき乗分布、対数正規分布の仕組みを解説しています。データの性質により分布の形が決まるため、それぞれのデータが分布のどこに位置しているか、また分布から外れていないかを確認することで、特徴や課題の把握に生かしていこうと思います。

2020/01/10