内容説明
一九六〇年代後半から七〇年代初め、高校生が学校や社会に激しく異を唱えた。集会やデモを行うのみならず、卒業式を妨害し、学校をバリケード封鎖し、機動隊に火炎ビンを投じた。高校生は何を要求し、いかに闘ったのか。資料を渉猟し、多くの関係者の証言を集めることで浮かび上がる、紛争の実像。北海道から沖縄まで、紛争の源流から活動家たちのその後の人生までを一望する、高校紛争史の決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
とくけんちょ
58
当時の高校生たちの活動具合について概観できる。活動に参加するということ、それは多くのことを犠牲にせざるを得ないということだ。人生を賭して活動に傾注するのはまだ早い。後に名を馳せた活動家の背後で、イニシャルで語られる個人もいる。本書だけでは見えてこない悲惨さが漂っている。2021/02/07
南北
39
読友さん本。大学紛争の影に隠れてあまり取り上げられることのない高校紛争について述べた本である。米澤穂信の「氷菓」の背景にも取り上げられたこともあって読んでみた。当時の状況は詳しく述べられているが、残念ながら原因が究明できているとは思えなかった。教師を反動的だと糾弾したり、「安保反対」や「ベトナム戦争反対」を唱えていた当時の高校生達が内容を理解していたとは思えなかった。巻末の年表には母校の名前が掲載されていたが、70年代後半に入学した時は高校紛争のかけらも感じられなかったので、意外な感じがした。2021/12/13
Tomoichi
19
私が生まれる数年前に起こった高校紛争の実態を描くが、正直言って「革命ごっこの文化祭」。お勉強だけができるお坊ちゃん達の反抗期って感じ。その後ちゃっかり大学へ行き、大学教授になり、インタビューに答える。笑える。文化祭の勢いそのままに中核派に入って潜伏何十年の人、ご苦労様です(笑)いつ革命が成就しますかね?2021/11/06
Yukiko
17
とても面白かった。読んでよかった。ものすごい労作だと思う。当時の高校のビラから全国の高校の学校史を読み込み、当時の高校生、教師、警察関係者にもインタビューをしている。読んでいて、わくわくした。ただ、高校生はあまりにも純真で痛々しいという気持ちにもなった。著者は私と同世代で、1970年代後半「祭りの後」の高校で、70年代安保の時代を眺めている。当時いだいた関心を40年経ってこのような形にまとめてくださったのだと思うと、ありがたい。読むことができて、良かった。2023/02/22
浅香山三郎
17
『革命的な、あまりに革命的な』からの流れで、同じく暫く積ん読だつた本書を読む。大学における闘争については、様々な本で知ることができるけれども、高校においてもこれだけの闘争があつたことは殆んど知らなかつた。 闘争といふ形で問はれたのは、校則や教育制度や、学校・教師といふ装置の欺瞞性の暴露だつた。この辺りは大学紛争と似てゐる。一方、大学よりも地域・家庭・教師と闘争参加者との間が近く、教師や生徒のなかにもまだ当時を語らない人が多いことなど、一連の出来事の残した傷跡はずつと深いやうに感じた。2019/07/14
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