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内容説明
五・一五事件で獄に繋がれたこの寡黙な男は、釈放後の戦中戦後をどう生きたのか。数奇な人生を歩んだ男の見果てぬ夢とは何か。縁者にあたる著者が八年におよぶ取材を経て書き下す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keint
7
五・一五事件の首謀者であり三無事件等にも関わった海軍軍人の評伝。三上の無口な性格のため、様々な方面からの資料収集やインタビューから三上の人物像を浮かび上がらせていた。この本も昭和維新史では必読の一冊である。個人的には、尺八を吹いたり、俳句もかなり読んでいるなどの芸術人としての一面もあったのが意外であった。2020/05/08
半木 糺
7
五・一五事件で有名な三上卓の生涯を描いた書籍。五・一五事件以外にも東条暗殺計画や三無事件など、様々な事件に名を出しているにも関わらず、その実像はほとんど明らかにされてこなかった。著者は懸命に取材を重ねているが、当の三上本人が非常に寡黙で資料を残さなかったため、執筆には相当苦労している。著者は三上の寡黙で金銭にまったく興味の無い気質は佐賀の「葉隠教育」によって育まれたものだとしている。なお、三上の弟子に民族運動家の野村秋介がいるが、野村は他の三上の弟子達からはあまり好かれていなかったというのは意外であった。2016/05/03
臓物ちゃん
5
ようつべで聴いた「青年日本の歌」が共産趣味者の俺でもアガれる曲だったので、気になって借りた図書館本。五・一五事件で国家転覆だ！→失敗→東條英機を暗殺だ！→失敗→ペニシリンを密輸だ！→失敗→なら三無事件でどうだーッ！→失敗、という行動力はあるのに負け戦の連続という裸エプロン先輩の如き怒濤の人生は読んでいて飽きない。やはり不器用さこそが男の美学や、器用な右翼なんていらなかったんや！と思ってしまう一冊。2015/04/29
onepei
1
ずっと気になっていた人物だった。でもまだ掘り下げることができそう。2012/06/10
