内容説明
一行「でも」わかるのではない。一行「だから」わかるのだ。『百年の孤独』『悲しき熱帯』『カラマーゾフの兄弟』『老子』──どんな大作も、神が宿る核心的な「一行」をおさえればぐっと理解は楽になる。魂への響き方が違ってくる。究極の読書案内&知的鍛錬術。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
55
A図書館より。ニーチェ『ツァラトゥストラ』で、「これが(傍点は斎藤先生)--生だったのか」わたしは死に向かって言おう。「よし! それならもう一度」と(25頁)。自身の力を信じること。今の自分を乗り越えて、前進(26頁)。運命愛というらしい(27頁)。山本定朝(つねとも)『葉隠』で、「常生死身(しにみ)となりて居る時は、武道に自由を得、一度越度なく、家職を仕果すべきなり」(37頁)。ホイジンガ『ホモ・ルーデンス』で「人間文化は遊びのなかにおいて、遊びとして発生し、展開してきた」(203頁)。遊び大事だね。2022/06/25
かわうそ
32
★★★☆☆古典は最初から全部読もうとするから挫折するというのは間違いないと思う。白取春彦氏も言っていたけども挫折しないためには古典をパラパラ読みしてみることが大事である。パラパラ読みながら自分が興味がありそうなところをつまみ食いする。そこから章全体を読み、いずれは全て読む。1行でわかると言えば早計であると思われがちだがむしろ、1行からその古典の意図を探りながら読むことが理解を深めるという視点は面白い。古典にとって1行とはボーリングのセンターピンであると。誰かに教えたい!と言う感情が記憶を強化する気がする。2021/11/21
e
26
名著と呼ばれる本たちを1行を通じて端的に紹介している1冊。読了したものは懐かしさとこんな受け取り方もあるのかと新鮮さを感じながら、挫折した作品やまたチャレンジしようと思え、未読の作品のうち読みたい本もたくさん増えました。ロシア文学が特に読みたい。2020/02/20
ココロココ
16
こういう本を読むと、読みたい本が増えて困る。それでも中には積んでる本もあるわけで、これを機に読んでみたいと思う。とはいっても、難しい本が紹介されているので、果たして読めるかどうか。それでも、角田光代さん訳の源氏物語は積んでいるので、読もうと思う。せめて葵の巻だけでも。2020/04/22
B.J.
9
🔴「葉隠」 死というものを、老年になってから訪れるものではなく、常に自分の背中に張り付いているものとして意識する。いつでも死ねると思うことで、目の前のことを悔いなく行い、死の恐怖を克服するという態度。・・・本文より2020/03/31