内容説明
「憲法の芽を生やせられないか」。経世済民の学として民俗学を興した彼の根底には、常に日本国憲法に通ずる精神が流れていた──。民主主義の推進者・柳田國男を読み直す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジャズクラ本
16
○柳田國男の民主主義に関する論説を大塚英志が編した論集。といっても直接的に民主主義政治を語っているのは第1章の東京朝日新聞時代の主に普通選挙施行に関する社説であり、第2章以降は民俗学や教育論からの民主主義へのアプローチとなる。柳田の文章の難しさは一つのセンテンスから次のセンテンスへの飛躍が大きくてその関連が容易に結び付かないことにあり、こういった部分はあまり拘らずに読み進めた。特記事項としては柳田の編纂による小学校社会科の教科書及び指導要領の原文が掲載されており、非常に素直な内容になっています。2020/05/29
roughfractus02
6
1946年7月12日付で著者は枢密顧問官に任ぜられ、戦後の日本国憲法の成立に関わることになる。本書は、農政官僚として明治国家を支えながら専門化する民俗学の現状を憂い、、経世済民の学として民俗学を立ち上げた著者の政治に関する直接間接の主張を収める。大正期の普通選挙制への拘り、言論の自由を育てる国語教育と政治の関わらない人々の政治参加を促す社会科教育を語る著者は、シャーマニズム社会から国家に至る中央集権体制の周縁に散在する権力分散型のトーテミズム社会の痕跡を辿る民俗学に自らの政治姿勢を託していたことが窺える。2025/02/28
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