内容説明
未来はけっして明るくない。そんな気分が充満するなかで、
どうかこのことだけは心に留めておいてほしいという願いを込めています。
――あとがきより
哲学者・鷲田清一が、大阪大学、京都市立芸術大学の入学・卒業式で、
新しい世界に旅立つ若者へ贈った、8年分の人生哲学。
東日本大震災の2週間後、戸惑いのなかで話されたリーダーシップ論
「… 請われれば一差し舞える人物になれ … 」も収録。
不安と希望が入り混じった若い人へ向けたメッセージはそのまま、
私たち現代人が直面する仕事や人生の悩みに寄り添い、背中を押してくれます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
68
敬愛する方のお一人、鷲田先生の式辞集。どれをとっても、先生の熱い深い思いが滲み出ている。伝えていることの意味は、かなり高いものがあるし、そこに到達できる可能性があると思われているからの内容だ。何でもサービスと捉える風潮。自分の足で立ち、自分で考えることの意味。真の教養とは、複線の眼を持つことから生まれる・・・などなど。多くの人に読んでほしい。2010年度の入学式の式辞を、娘とかみさんは聴いているのだが、その時はどう思ったのだろうか。少なくとも、今、娘が担っていることは社会的弱者への取組なので活きている。2021/03/01
さっちゃん
41
鷲田さんが学長を務めておられたときの、大阪大学、京都市立芸術大学の入学式や卒業式の式辞を集めたもの。若者への温かいメッセージは、未来を担う者だけでなく、私のような親世代の心にも響いた。どうかこの国の若者が、自分を、周りを、未来を信じられる国になってほしい。人生に少しだけ寄り道するのを許される国になってほしい。読了後、そんなことを考えた。2019/12/19
ムーミン
34
珠玉の言葉にあふれ、自身の胸にも刻みたいし、どこかで折に触れ使いたいと思える文章に出会えました。2022/01/12
kan
33
3月4月の別れと出会い、終わりと始まりにふさわしい本で、心に響く言葉がたくさんあった。特に、教養とは何か、思考とは何か、なぜ人は学ぶのかという根本的な問いに対する一貫した考えに、教育現場で働く者として深く共感した。今の私にできそうなことは、子どもたちが思考の補助線を立て、「いま」「ここ」とは別の場所から「いま」「ここ」を見つめ直す複眼をもつための工夫をすることだ。私自身、この年度始めに環境が大きく変わったため鷲田さんの言葉にとても勇気づけられ、時々泣きそうになりながら、心に刻みたい多くの言葉を書き留めた。2023/04/09
海燕
30
著者が学長を務めた大阪大と京都市立芸大での卒業式、入学式の式辞集。語り口は平易だが、自分の経験にも基づいて、具体的な事例から抽出した本質を哲学者の言葉で語る。私は残念ながら、卒業式で聞いた校長の言葉を全く記憶していない。鷲田さんは、式辞は気持ちの上では重い仕事だったという。「自分が何を知っていて何を知らないか、何ができて何ができないか。それを見通せることが教養にほかならない」「自分が取り組んでいる作業を、一歩下がって世界の、歴史の、大きな地図にしかと位置付ける」。折に触れて読み返したい言葉の数々。2021/06/18
-
- 電子書籍
- 吉井なえ なえめす 321.incライ…
-
- 電子書籍
- 隣の席の、五十嵐くん。 59巻 コスモス
-
- 電子書籍
- 両性α 7~生意気キメラは逆らえない。…
-
- 電子書籍
- 母性天使マザカルカノン1 MEGAST…
-
- 文具・雑貨・特選品
- FM024 ブラキオサウルス