講談社+α新書<br> 空気を読む脳

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講談社+α新書
空気を読む脳

  • 著者名:中野信子【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 講談社(2020/02発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065118245

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内容説明

職場で、学校で、なぜ日本人は「空気」を読むのか?
中野信子さんが脳科学をとおし、初めて日本人の心性と強みを読み解く。

「いじめ」「サイコパス」「キレる心」「だまされる心理」など、脳科学から人間を鋭く分析し、対処法をわかりやすく教えてきた中野信子さん。
本書では初めて、日本人の脳に迫ります。
「醜い勝ち方より美しい負け方が好き」「不倫は懲らしめるべき」「雇うなら体育会系男子という企業意識」「なぜ、イケメンのほうが美人より会社で得なのか?」「今が幸せと感じられないし、将来も不安でしかたない」「同調しないと怖い」――日常のさまざまな現象の背景には脳の影響があります。

相手の気持ちを察するのがうまい日本人。それを「空気」を読むといいます。それは、すぐれた協調性、絆の深さ、恩や恥を感じる心にもつながるでしょう。
でも逆に、周りの空気が私たちに、「生きづらさ」や「不安」「忖度する心」「バッシングの快感」といったものを生じさせる原因にもなります。
近年苛烈さを増すバッシングは、「人を引きずりおろす快感」や「ルールを守らない人間を懲らしめたい欲求」という空気です。

日本は世界幸福度調査で常にその順位の低さが話題になりますが、生理的な特質からきているのでなかなか幸福度を上げるのは難しいでしょう。
「褒める」教育が当たり前になっていますが、エリートが行う捏造や改竄の裏に、誤った褒め方がある可能性がわかりました。日本人の才能を伸ばす方法についてヒントが見つかるでしょう。
ほかにも、留学などに「挑戦」する人が減ったのはなぜか? なぜ女性が「婚活」に苦しむのか? なぜ13年連続でイグノーベル賞をとれたのか? なぜ日本は長寿国なのか?
脳の中に私たち自身を読み解くカギがあります。
日本人の特徴を知ることは、日本人以外の人々との違いを知ることにつながります。このことが、現在をより良くし、未来を資する役に立つはずです。

空気を読む脳〈目次〉
はじめに 
第1章 犯人は脳の中にいる ~空気が人生に与える影響とは?
第2章 容姿や性へのペナルティ ~呪いに縛られない生き方
第3章「褒める」は危険 ~日本人の才能を伸ばす方法とは?
第4章「幸福度が低い」わけがある~脳の多様すぎる生存戦略
おわりに

目次

はじめに
第1章 犯人は脳の中にいる ~空気が人生に与える影響とは?
”カミカゼ遺伝子”は脳内に現代も息づいているか
日本人はなぜ「醜くても勝つ」より「美しく負ける」を好むのか?
ブランドを身に着けると、なぜ「人生で得をしがち」なのか
日本人は富裕層になれても大富豪にはなれない?
不倫もバッシングも脳や遺伝子に操られているのか?
第2章 容姿や性へのペナルティ ~呪いに縛られない生き方
女性の容姿への「残酷な心理実験」が映し出す現実社会
女という「呪われた」性で「婚活」に苦しむ日本人女性
レールを敷く親――子どもを蝕む「毒親」とは?
同性愛の科学――“生産性”をめぐる議論に寄せて
第3章「褒める」は危険 ~日本人の才能を伸ばす方法とは?
失敗を恐れる脳――日本人はなぜ「挑戦」しなくなったのか?
なぜ報酬がいいとやる気や創造力が減退してしまうのか?
「すぐに返信しない男」と「既読スルーを我慢できない女」
「超一流」が育ちにくい時代に才能を伸ばす脳の育て方とは?
20代までも成長し続ける脳が味わう試練と、その助け方
第4章「幸福度が低い」わけがある~脳の多様すぎる生存戦略
日本人の脳をつくったのは、環境か遺伝子か?
「弱み」は人間の生存戦略上なくてはならない
おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やすらぎ

243
それぞれの違いを知ることで自分をより深く理解して新たな行動につなげていくための本。努力を厭わない心を見失わないことが大切である。協調性の高い集団はどういう傾向にあるのか。その危険性とは何か。同調の苦しみ、信頼や絆への息苦しさ。心許せる人であっても自然体でいられず離れていくこともある。固定した拘りは複雑に絡み合い解くことは難しい。この世界には正解のない多くの問題が存在する。ただ静かに生活したいと思っていても常に判断を求められる。本を読み終えるとすぐに読みたくなるような好奇心と柔和な思考を育てられたらと思う。2022/11/20

KAZOO

150
題名からすると、この本も先日読んだ「この国の同調圧力」と同じような分野の本かと思いましたが、この著者の専門である脳科学的な観点からの話が多いように感じられました。ただ男女間の問題や性の話もあったりして私にとっては中途半端な感じを受けてしまいました。もう少しご専門の脳科学的な話を多くしてもらえたならという気がします。2024/01/09

ひろき@巨人の肩

128
日本人の脳は、セロトニントランスポーターが最も少ない部類のため、精神を安定化させるセロトニンが不足しがちである。その結果、不安が高くなりやすい為、協調的で慎重、控えめな気質が形成された。一方、神経質で悲観的な思考が行き過ぎると、社会排除的な同調圧力が生じてしまい、近年の不倫バッシングや神風特攻思想などを誘発してしまう。また、日本人脳の特性を理解した上で、示された4つの俯瞰的考えが面白い。①不倫・同性愛の社会生物学的な意味。②女性へのステレオタイプ脅威。③悲観的な脳へ「褒める」リスク。④幸福度の捉え方。2021/03/31

mukimi

120
脳科学は具体的だが断片的なので丸呑みするか慎重でありたいが、日常のモヤモヤを既知の概念で説明してくれるのは確か。例えば脳の指揮者と言われるセロトニンの輸送体遺伝子が日本人には世界で最も少ないため真面目で幸福度が低く失敗を恐れ、いざ裏切られると復讐心が強い。これは長寿社会や特攻隊の背景になっている。また母性の象徴幸せホルモンのオキシトシンは共同体調和を守る目的があり、外集団バイアスと社会的排除を生み毒親に繋がるなど。理性でコントロールできない部分が遺伝子やホルモンの働きによると知っておくだけで生き易くなる。2023/12/15

とも

115
頭がいい子に対する報酬、LGBTと脳の話が面白かった。 中野さんの前読んだ本と似通った内容もあったが、復習できた。 内側前頭前野もう少し勉強してみよう。2021/08/17

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