岩波新書<br> 統合失調症

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岩波新書
統合失調症

  • 著者名:村井俊哉
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 岩波書店(2020/02発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004318019

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内容説明

幻覚や妄想が生じるが,病識の欠如のため本人はそれを認めない.青年期を中心に100人に1人近くが患うこの病気は,社会生活への影響が生涯にわたるのにあまり知られていない.経験ある精神科医が症状,経過,他の精神科の病気との違い,リスク因子,治療,歴史と社会制度などをわかりやすく解説する.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ろくせい@やまもとかねよし

189
大学院教員による統合失調症の論説。平易な記述で理解しやすい解説。統合失調症について、現代医学の精神疾患における位置付け、症状である妄想と幻覚、ほとんどの原因の未解明、作用機序は不明ながら効果的な薬物療法を中心とした治療を紹介。さらに精神病と括られた病気が、精神異常より神経異常で解されてきた歴史も解説。主張は明快で「統合失調症は妄想と幻覚をともなう病気」である一方「症状が個人意識に依存するため一般化が困難」だが、社会の正しい病気の知識と経験からの福祉対応を期待。ただ健常と病気の二元で理解できない気もした。2020/04/02

佐島楓

73
書き落としている点がちらほらあるように思う。患者の平均寿命が短いとされているのはおそらく多剤投与による副作用が引き起こした内臓疾患も考慮に入れなければならないし、薬物治療においても具体的な商品名が記述されていない。患者に対して近親者がどう接すればよいかといった点も記述不足である。これでは病気については詳しいことが何もわかっていないということしかわからず、読者が不安になってしまうのではないだろうか。2019/10/21

キムチ

54
「対象をどの辺に置くか腐心した」だけあって、読みやすい。2019 秋第一刷。筆者は50歳台現役医師。両論併記の手法に基づき、多数の専門職から奇譚ない意見を貰ったとある。人権との関係でデリケートな振幅を持ってきたこの病気。脳科学においても最後の要課題とされている。社会がさらなる関心を持ってほしいとするメッセは、クリア出来ている。統合失調症本人とその関係者の現実を見ると、日常生活での微細なうねりは減っていない。関わっている一人として、こういった新たな本は知識の同期化にかなり役立った。2020/01/05

ころこ

39
心の病気は社会個人に例えるときに比喩として非常に有効です。スキゾを兆候的と表現し、流動化した社会の向かう流れを先取りする時代精神に使っていたのはもう30年以上前のことです。本書はそういった微温的なイメージが社会の理解を妨げている、その無理解が患者の立場を悪くしているといいます。まず、この病気と断ち切れているのは社会との因果関係です。他の病気と同じく個人で完結している。そして機能性よりも器質性に原因を求めています。統合失調症の因果関係に脳科学の成果を用いて説明しようとしていることが、図らずも心脳問題に接近し2020/09/25

evifrei

22
統合失調症という病気の様々な『神話』を排し、ふつうの疾病であることが説明される。中立な視点で述べられているので、書籍としてもとても解りやすい。この病気に興味はあるが知らない事も多いという読者が、最初に手にする本としてもおすすめ。現時点で明らかにされていないことは、わからないと明言されているところに、著者の学問と患者本人に対する誠実さをみる事ができた。統合失調症患者と死亡率の相関について述べられた部分は、想像していた所ではあったが、改めて根拠を示して説明された事で腑に落ちた。2019/12/13

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