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内容説明
顧みて恥ずべき何ものもない――敗戦後の経営の難局に立っても揺るがなかった信念と矜持! 150年もの巨大企業グループの事業の歴史を支え続けるDNAはいかにして形成されたのか。波乱の時代を生きた三菱の第四代社長・岩崎小彌太は、自らの宿命に従いつつも、信念を貫き通す人であった。グループ企業としての完成や経営理念の確立において、継承者が創業者を超えるほどの存在感を示した事例は、日本の経営史上においても稀有であろう。本書は、「理想なしでは一歩も動けない人」「理想家にして実行家」といわれたその希代の経営者による「継承と創造」の事跡に、三菱グループの研究を長年重ねてきた経済史家の視点から迫った経営者伝である。企業の社会的責任について一貫した姿勢・考え方を維持し、社会のニーズに対応して需要者・消費者の利益に奉仕することを企業目的としたこの事業家から、時代を超えて、現代の企業家・リーダーが学ぶべきところは多い。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keint
10
岩崎小弥太の伝記。伝記とは言えども大正期から終戦直後までの経済や三菱財閥の状況も丁寧に説明されて参考になった。政治に関与しない、公正主義、国民の福利のための「奉公」などの彼の経営理念は現代でも十分に通ずると感じた。2020/09/30
鈴木貴博
1
三菱財閥の四代目で事実上最後の総帥・岩崎小彌太の伝記。第一次世界大戦中の大正五年に社長に就任し、その在任は事業の拡大、組織の整備と成熟、大震災、不景気、財閥への逆風、戦争、そして財閥解体に至る約三十年。激動の経済史とともに知ることができた。2020/07/16