内容説明
私は二度結婚した。そして、夫は二人とも死んでしまった──。故郷アメリカを離れ、ローマで暮らす若手女優とその兄。彼らは名門出身の政治家と有名女優の夫妻に惹かれて近づくが……。ルネサンス期の戯曲をもとに、エドガー賞受賞作家が描きだす傑作ノワール。解説/吉野仁(ミステリ評論家)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆのん
74
ジョン・ウェブスターの同名の戯曲が題材となっているサスペンス。この戯曲の元となっているのがローマで実際に起きた二重殺人事件。上昇志向の強い兄と行き当たりばったりの妹(語り手)の緻密さも巧妙さも無い犯罪…読んだ感想はこれに尽きる。『殺人は割に合わない』の見本の様な犯罪。兄は小悪党的な存在だが、妹の道徳観や倫理観の欠落には驚く。ラストも予測出来得るものだが、もう少しキュッと締めて欲しかった気もする。ラストへの期待感の上げ方が上手い作品に感じる一方、ドラマチック性に少々欠けた感があった。ハメット賞受賞作。1982020/08/25
あさうみ
44
読んでいて、「白夜行」がちらちら頭をよぎったけど少し違うような。周りの男性の人生の歯車が狂っていく。無自覚なファムファタール的。ジョン・ウェブスターの戯曲「白い悪魔」にあらすじと登場人物を踏まえているのでこちらを把握していると2倍楽しめるに違いない(しかし書籍を調べたら絶版のうえ、1万くらいする…)2020/02/10
星落秋風五丈原
42
会う人会う人結婚しては死なせてれば怪しまれて当然だと思う。そしてラストは結局どうなったの?ヒロイン結局誰の事も好きじゃないんだろうなぁ。振りきれた悪女の方がよかったな。2020/12/21
本木英朗
24
現代アメリカのミステリ作家のひとり、ドメニック・スタンズベリーの作品のひとつがこれである。俺はもちろん初めてだ。とある理由で故郷アメリカを逃げるように去り、年の離れた作家の夫とローマで暮らしている若く美しい女性ヴィッキー。野心を抱く兄ジョニーに導かれてローマの上流階級に出入りするようになった彼女は、人気政治家オルシーニと不倫の恋に落ちる。しかし、しばらくしてオルシーニの妻である国民的女優イザベラがアメリカの宿泊先で謎めいた死をとげ、ヴィッキーたちに世間から疑いの目が向けられた――という話だ。(→)2020/08/20
stobe1904
18
【悪女ものノワール】セレブな世界に生きるヴィッキーが周囲の人々に破滅をもたらす悪女として描かれているが、悪女としての魅力が希薄ゆえに盛り上がりにかけたまま終わってしまった。17世紀の戯曲を現代に置き換えているようで凝った作りであることやハメット賞受賞作で期待が高かったが、私の好みではなかった。★★☆☆☆2020/04/29
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