内容説明
あることがきっかけで学校に居場所を失った海月は、誰にも苦しみを打ち明けられず、生きる希望を失っていた。海月と対照的に学校の人気者である鈴川は、ある朝早く登校すると、誰もいない教室で突然始まった放送を聞く。それは信じがたいような悲痛な悩みを語った海月の心の叫びだった。鈴川は顔も名前も知らない彼女を救いたい一
心で、放送を使って誰もが予想だにしなかったある行動に出る――。生きる希望を分け合ったふたりの揺るぎない絆に、感動の涙が止まらない! 第2回スターツ出版文庫大賞フリーテーマ部門賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じゅんぺい
13
途中までは辛い場面が多かったので読むのが少しきつかった。でも後半に向けての展開は前向きな感じになるので良かったと思う。2018/03/31
しお
11
再読本。「俺たちは誰かを傷つけるために生まれてきたの?違うだろ。自分を、誰かを、幸せにするために、愛する ために、生まれてきたんだ。・・・」鈴川くんの言葉一つ一つが胸に刺さった。傍観者から脱することは、どんなに勇気がいるだろう。クラスでいじめがあって、でも怖くて止める勇気が出ないという人におすすめ。2019/01/01
よう
4
爽やか可愛い表紙にひかれて。あらすじから主人公が辛い学校生活を送るんだ…と覚悟して読み始めましたが、本当にこれでもか!という待遇に文字を追うのが怖かったです。海月ちゃんは友達想いの勇気ある子だから、なんとか折れないで欲しくて。そして鈴川君の人柄にはひたすら驚きと称賛です。また彼の大きな決断を尊重してくれた両親や先生にも同じ気持ちです。鈴川君が海月ちゃんを想うようになったきっかけは謎ですが、ラストは表紙のような雰囲気で晴れ晴れ。人を殺すのに刃物はいらない、と母が私に教えてくれた事を思い出した物語でした。2018/03/25
ゆあこ
1
いじめはとてもいけないことだと思います 私も 主人公のような方を見かけた時はすぐに助けたいと思いました2020/06/30
せぶこ
1
《死にかけのクラゲの日記……》 透き通るような、弱々しくて、それでいて、ひたすら淡々とした声。 たとえホコリだと頭ではわかっていても、目の前で幻想的な光の中を浮遊するそれを、私には羨ましいと思うくらい美しく見えた。 《俺たちは誰かを傷つけるために生まれてきたの?違うだろ。自分を、誰かを、幸せにするために、生まれてきたんだ。そうじゃなかったら、きっと俺たちの命はここまでつながれていない》 _これは鈴川くんが起こした、三十七分間の奇跡のお話。2020/04/25