内容説明
他人の感情に敏感で、言葉の中の嘘が見えてしまう女子高生・向葵(こうき)は、そんなふつうじゃない自分に悩んでいた。ある日、1枚の絵をみるために訪れた美術館でひとりの青年に出会う。向葵とは対照的に、彼は他人の気持ちを汲み取れないと言う。「ふつうになりたい」――正反対なのに同じ悩みを持つふたり。この出会いが、運命を変えていく――。ふつうとは何か。苦しみの中で答えを探し続ける姿に、そして訪れる奇跡のラストに心揺さぶられ、気がつけば…涙。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くにりん
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人物の描写に対して情景の描写があまりにも少なくて、今どのような場所にいるのかがほとんど伝わってこない。それと、とにかく”物語が動かない”。序盤で示される”主人公の抱えている問題”について、終盤に入るまでひたすら同じ問答を繰り返す。最終的に伝えたいであろうメッセージは悪くないんだけど、前述の二つの点のせいで物語全体が退屈に感じてしまった。間合間に重要なシーンが挟んであって、緩急がわかりやすい小説が好きな人には不向きかな。2020/08/24
