内容説明
何事も白黒つけたくない。自己主張
して、周囲とギクシャクするのが嫌
だから――。高2の遠矢絹は、自分
の想いを人に伝えられずにいた。本
が好きなことも、物語をつくること
への憧れも、ある過去のトラウマか
ら誰にも言えない絹。そんなある日、
屋上へと続く階段の途中で、絹は日
向萌夏と出会う。「私はとある物語
の主人公なんだ」――堂々と告げる
萌夏の存在は謎に満ちていて…。だ
が、その予想外の正体を知った時、
絹の運命は変わり始める。衝撃のラ
ストに、きっとあなたは涙する!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ami*15
48
誰もが知っている有名作品を読んでいなくても「本が好き」と自信を持って言えるのか?過去のトラウマから本が好きな自分を受け入れられない絹。「自分が好きな本を自由に読んでいればそれでいいのに」と思いつつも、私も作中で言うような有名作品は読んでいない方なので絹の悩みもわからなくはなかったです。萌夏や阿久根先輩との付き合いを通じて同じ本が好きでも読むジャンル、読書のスタイルは人それぞれであることに絹が気付けて良かったなと思いました。好きなものの受け入れ方、様々なことを経験することの大切さを教えてもらった良作でした。2019/05/13
フェムト
4
タイトルに釣られて購入。良く言えばきれいな物語、悪く言えば平坦で起伏のない(薄い)物語。読んだ感想としては、良くも悪くもさわやかな風のように吹き抜けてくだけ……。 話は変わるが、スターツ出版文庫の帯は8割くらいの確率で「最後に泣ける」的な文言が書いてある気がする。ボージョレー・ヌーヴォーみたいで面白い。2019/08/14
あふろ
3
階段途中の少女たちに、ぜひ読んでもらいたい。 読後すごくそう感じたお話。 逃げてもいい、合わせてもいいし、無理もしなくてもいい。そう思えると、少しだけ踏み出せたりもするよね。 不思議で、けれど大切な友人。 だれにでもきっといるんじゃないかな。2019/04/29
あや
3
とても優しい物語でした。本がすきなひとならきっと、ラストにぐっとこみ上げるものがあると思います。幼いころ、物語やその世界の登場人物たちに救われて毎日を生きてきたわたしには、作中のあの子が愛おしくてならなかったです。いまの小・中学生の子たちにぜひ読んでもらいたい、素敵なお話でした。2019/04/28
ゆみこ
2
本に関するトラウマを抱えた少女が成長していくお話。文学作品を読んでいないだけでマウント取ってくるのは馬鹿としか言えないが、そこで自家中毒起こしてないで読んでみればいいのに。賞を取る理由は読まないと分からないんじゃないかな。2020/09/26