内容説明
澄子を見たとたん、欲望が爆発した。なんのために、わしは生きてきたんや……。黒い肌に清潔さを匂わせ、妖しい魅力を発散する、アルサロの女。戦後の落し子という、暗く佗しい運命に訣別し、新しい朝を待ちながら、男を狂わせずにおかない「悪女」の肖像を描く表題作、ほか5編。黒岩重吾の才腕を示す、多彩な異色短編集。愛とサスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カノープス
4
黒岩重吾は女を通じて「人間の垢」を描いた。肉体的な汚れを超えて、欲望、倫理的妥協、社会的制約の中で生きる人間の複雑さを浮き彫りにする。黒岩の温かくも厳しい人間観は、彼女たちの「垢」を生きる証として肯定し、読者に人間の本質を問いかける。この短編集もまた、黒岩の社会派小説や風俗小説のエッセンスを凝縮した一冊である。黒岩の人間ドラマは、登場人物の汚れや弱さを批判するのではなく、生きるための必然として受け入れ、温かい。特に本作では社会的マイノリティへの共感と尊厳を持った視線が多く、時代を考えるとその先進性に驚く。2025/05/06
kthk arm
1
2021年82冊目。読んでみたかった作家の1人。時代を感じるものの、人生の業を堪能できて、面白かったです。2021/09/19
ひぽ
1
表題の「朝を待つ女」を含む6編の短編小説を収録。2011/12/24
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