内容説明
代表作「木綿以前の事」他、日本民俗学の父が全国を渉猟して見出した、いにしえと今のこの国の足跡。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アルピニア
62
柳田氏35歳から66歳までに書かれた16篇。読んでいて感じたのは、風景が実に生き生きと描写されていること。そして氏が消えゆくもの、変わりつつあるものを見つめることによって、より良い未来を創造しようとしていたということ。特に印象に残ったのは、「夢と文芸」「天狗の話」「木綿以前のこと」「酒の飲みようの変遷」「ブランコの話」。木綿の普及、酒が貯蔵されていつでも飲めるようになったことによる生活の激変については、考えたこともなかったので、まさに目からうろこが落ちたような気がした。2022/06/03
鯖
16
鬼滅読んでたら、柳田国男の「山の人生」が読み返したくなって、全集から代表作を収録したコンパクトなこの本を手に取ったんだけど、入ってなかったんだよねあれ。「木綿以前のこと」で「木綿の威力に抵抗しがたかったことは、ある意味においては薩摩芋の恩沢によく似ている」がなるほどなーと。でも一番怖かったのが解説で柳田国男が亡くなった後で民俗学を志した方が「柳田国男ってどんな方だったんですか?」と最期の弟子の某先生に聞いたら「そんなこと、怖くて言えないよ」と囁くようにおっしゃったとのこと。2021/03/03
じじちょん
6
柳田國男全集より数話抜粋し編集した本。「猫の島」が面白かった。実際の島と各地の伝説がほどよくミックスされている。「酒の飲みようの変遷」もなるほどと思った。 峠の話は身近な土地が載っており、興味深かった。 田舎の風景を偲ぶ紀行文のようだ。2019/07/25
ジャズクラ本
5
◎ ・四国に狐はいなかった。狸の天下。佐渡も同様。 ・ゲップなどという言葉は下品。元の日本語はオクビ(口偏に愛)。欠伸(アクビ)との関連を指摘。例)そんなことはオクビにも出さない。2019/05/23
nightowl
5
うしなわれゆく田舎の風景について書かれた随筆が心に留まる。旧道レポートのサイトやローカル線の一見何も無い駅で降りてぶらぶらする番組などを思い出し、目的を持たない旅をしている方も徐々に増えつつあることを故人へ教えてあげたくなる気持ちになる。民俗学は難しく感じる方でも、上記のようなものをよく見ているなら薦めたい一冊。2019/05/19
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