ポール・ローマーと経済成長の謎

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ポール・ローマーと経済成長の謎

  • ISBN:9784822288716

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内容説明

●2018年ノーベル経済学賞受賞者ポール・ローマーの画期的な経済成長論をめぐる物語

●『大停滞』などで知られる経済学者タイラー・コーエンが激賞!
「偉人としてのポール・ローマーにスポットを当てた本としては、ウォルシュのこの本がある。科学読み物としても伝記としても非常に優れた作品」

「1990年10月、シカゴ大学の経済学者である36歳のポール・ローマーが主要学術雑誌に経済成長の数学的モデルを発表すると、2世紀以上にわたって正式には認められず日陰の存在だった知識経済学が、ようやく脚光を浴びるようになった。この論文には、簡単そうにも難解そうにも受け取れる『内生的技術変化』(Endogenous Technological Change)というタイトルがついていた。」(本書序章から)

技術革新を経済成長論に取り込んだことで2018年にノーベル経済学賞を受賞したのがポール・ローマー。この経済学者としては異色の生き方をしたローマーを縦糸に、アダム・スミス『国富論』以来の「謎」として残された「ピン工場」と「見えざる手」の矛盾、その後の経済学では「収穫逓増」と「収穫逓減」の対立をめぐる経済成長論の変遷を横糸として、経済理論をめぐる古今の経済学者の人間劇を描く。

登場する経済学者はノーベル賞のスターらがずらり。ロバート・ソロー、ロバート・ルーカス、ポール・クルーグマン、ポール・サミュエルソン、ケネス・アロー、宇沢弘文らだ。解説は、ローマーのロチェスター大学時代に師事した佐々木宏夫・早稲田大学教授。

目次

第1部
第1章 専門分野としての経済学
第2章 「理論は、正しい継ぎ目で切り分ける方法を教えてくれる」
第3章 モデルとは何か? どう機能するのか?
第4章 見えざる手とピン工場
第5章 経済学は陰鬱な科学か?
第6章 地下水
第7章 スピルオーバー
第8章 ケインズ革命と経済学の現代化
第9章 数学は言語である
第10章 経済学のハイテク化
第11章 ソロー残差
第12章 無限次元スプレッドシート
第13章 経済学はロケット・サイエンス、「モデル」は動詞
第2部
第14章 新しい出発
第15章 馬鹿げてる!
第16章 ハイドパーク
第17章 Uターン
第18章 キーボード、都市、世界
第19章 再結合
第20章 クレイジーな説明
第21章 スキーリフトの経済学
第22章 内生的技術変化
第23章 推測と反論
第24章 光熱費の歴史
第25章 究極のピン工場
第26章 見えざる革命
第27章 経済学を教える
結び
解説 ポール・ローマーの人と学問 佐々木宏夫(早稲田大学教授)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おせきはん

27
技術革新を経済成長論に取り込み、2018年にノーベル経済学賞を受賞したポール・ローマー教授の半生が、経済学の歴史を踏まえて書かれています。ジャーナリストが執筆したもので、経済学の専門書ではありませんが、学術用語もたくさん出てきます。ローマー教授の研究者としての姿勢や実績についてはもちろん、経済学の歴史、経済学者の人間像に関する解説としても読みごたえがありました。2021/05/30

p31xxx

9
本書に数式はほぼ出ず、自然言語の利点を感じた。つまり、説明のつかない経済現象が先にあって定式化があとから行われるゆえ・定式化の問題意識はことばで理解する必要があり、ひとたび定式化するとその式が切り捨てたり扱えない部分は認識しづらくなる。それは〈ピン工場の謎〉がローマーたちの時代まで何度も忘れられた経緯に長い紙幅をかけることで示されている。こうした意味で経済学には学派学説が持ち上がっては雌伏してきた重層的な歴史があるのだなと思った‥‥‥ポール・ローマーは半分まで読んでようやく出てきた。2020/04/05

はまななゆみ

8
国よる経済成長の格差等がある理由は経済学的にはよく分からないようですが、キーは知識・技術であることは間違いなさそう。今後は益々混沌としてきそうですが。2020/07/16

takao

1
ふむ2023/12/25

読書実践家

1
人的資源のスピルオーバーについて考えさせられた一冊。2021/10/29

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