内容説明
源氏物語、それは高貴さに美貌と知性を兼ね備えた主人公、光源氏と肉体関係を結んだ女性たちが織りなす、「姉妹(シスターズ)」のお話。天性の床上手だった夕顔、体の相性ばっちりのセフレ朧月夜、幼女の頃にさらわれた紫上、義理の母なのに関係を持った藤壺……。エロティックな濡れ場や姉妹の心情を肉付けし、源氏のセックス依存と背徳を浮き彫りに。古典を現代的に再構成した刺激たっぷりのエッセイ。(解説・高橋源一郎)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoshida
107
源氏物語に登場する女性達。藤壺宮、紫上、葵上、夕顔、明石上、六条御息所等。彼女達が語る光源氏との事柄。源氏物語は高校時代に粗筋は読んだ。だが、その長さに未だに読めていない。有名な事柄は知っている。興味深く読めた。六条御息所の生霊と夕顔の件は知っていた。葵上の最期にも六条御息所の生霊が関与したとは知らず。更には紫上にも六条御息所の死霊が関与していたとは知らず。光源氏もこれだけの女性と繋がりがあれば、色々と起こるだろう。光源氏が女性に求めていたのは母性。幼少期の母の死。その面影を探し求めた生涯とも言えよう。2021/05/30
rico
76
いや~、そうだよね、源氏をそう書けばこうなるよね・・・。「私だけが知ってる光る君の真実、めくるめく日々とその結末!」てとこでしょうか。美しいから許されてますけど、端的に言えば、源氏ってマザコンで身勝手で性依存症で甘ったれのどーしようもない男。(私もフルボッコいたします)。だから、淋しい晩年は自業自得と言えなくもない。華やかな王朝絵巻の裏にある人間の哀しみや孤独が、この物語の醍醐味なのでしょうね。それにしても酒井さんはその場面を描くのがお上手。朝の通勤電車で読むには少々刺激が強かったのですが、楽しめました。2019/11/28
あきぽん
72
光源氏は現代目線ではタイガーウッズや渡部健のような性依存症の身勝手な男だけど、光源氏はむしろ狂言回しで作者はあらゆるタイプの女の苦しみを書こうとしたという酒井さんの意見には賛成です。光源氏はそれでも全ての女たちの面倒を見たというのが他の男たちと違うところ。この本は具体的なエロ描写が多過ぎなので源氏入門としてはおすすめしません。2021/04/13
優希
58
源氏物語と言えば格調高い恋愛小説ですが、酒井さんの解釈になると「ゲス●●」等の下世話さが際立っているように思えました。源氏のセックス依存と背徳を浮き彫りにし、現代的にしたと言えますね。2022/01/24
るぴん
50
やはり酒井順子さんの源氏物語分析は面白い!何と言っても女達の独白が楽しい。ママ会や御息所被害者の会などの座談会も面白かった。冒頭の「源氏としちゃった♡年表」も斬新な上、わかりやすい。マザコンでロリコン、粘着質でセックス依存症。ストーカー行為に少女拉致監禁までやらかしてると、散々な書かれようの源氏(笑)。顔とマメで優しいだけが取り柄の男って、典型的なダメ男だよなぁ。深く愛した女性を軒並み不幸にする体質も悲惨。自己を押し殺すような女達が多い中、嫉妬を剥き出しにする六条御息所や弘徽殿女御が人間臭くて好きだ。2019/09/06
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