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内容説明
独自データとマーケティングのメソッドから導かれる「地域の振興」と「地方間の共同性構築」の方法。ふるさと納税は地方の活性化、支援のためにスタートした制度だが、本来の目的を裏切る結果をもたらして、いまや無責任な有権者による「税金のムダ遣い」を招きかねない制度となっている。一方で地域の特色を生かして独自にブランド化、ビジネスを成功させて、地域社会の発展に大きく貢献している地方企業もある。うまくいく地域産品は何が違ったのか。地方の価値を高め、地域を活性化する秘策は、ここにある!
目次
第一章 ふるさと納税にふるさとへの思いはあるか
第二章 地方の味方は誰か──地域産品を選ぶターゲット層
第三章 地域ブランドの価値を高める──価値向上起点の転回
第四章 地域固有の記憶を紡ぐ──地域ブランド知識の形成
第五章 地域間の気持ちをつなぐ──持続的な関係の形成へ
第六章 マーケティングで地域を結ぶ、活性化する
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
葵
8
ふるさと納税の問題点がよく分かった。納税者に全く負担がかからず寄付できてしまう現行制度は、かなりおかしいと感じた。それでは寄付ではないじゃないか。また、控除が住民税から行われていること、都市の富裕層が、地方応援の気持ちは持っていないにも関わらず一番の寄付者であることなど、本来の目的から外れてしまうことを誘導してしまったり、実際起こっていることも、なんだかなぁ、と感じた。著者の言う通り地方はマーケティングが不十分だ。もっと企業視点を取り入れなければならないなぁ。2020/06/12
ミッキー
1
都市住民の行動パターンが良く描かれていて面白い。こういう人を相手にするなら相当注意する必要があると納得。この時期だからこそ読むべき本です。とても参考になります。2020/04/21
melty king
1
都市部の発展は地方が支えている。 社会構造の変化に伴って地方の存続が危ぶまれるなか、政府はふるさと納税によって「ふるさと意識」を高めようとしているが、その制度趣旨に反して利用者の多くは特定の地域を応援しようとしているわけではないことが明らかとなっている。 今後の都市部の発展のために、既存の制度を利用しつつ地域ブランドの創出や都市部の消費者と地方の生産者を結びつけるマーケティング戦略を考えることが重要となる。 ※p240以降を読むと全体を掴見やすいかもしれない。 2020/03/10
Jun
1
「2008〜ふるさと納税:寄付するとほぼ同じ額が税の控除として戻る+寄附金の約3割の価格の返礼品が貰える。地方交付税:税源豊かな都市から地方へ再分配。マイナス面:1非地域からも寄付可能→その地域に不幸な事が起きても他人事になってしまう(←民主主義が機能するのは、帰結が自分にあるから)2自由意志による寄付→事業中でも自由に引き上げられる、不安定性。解決策:控除率下げれば利益よりガチ貢献勢割合が増えるのでは?」2020/03/09
Go Extreme
0
マーケティング視点:ふるさと納税検証・消費者調査活用・規範的議論・地域ブランド検討 ふるさと納税の意義:納税の自覚・自治体の経営意識・ふるさと意識喚起 利用動機:利得目的・6割<地方応援<倫理思考 倫理思考層:出生/縁故・自己決定・居住地自治体の不満 地域産品の付加価値向上←特異な関係性の形成 地域産品の価値形成:地域産品→波及効果→地域ブランド→価値付与 経済的交換:財の取引 社会的交換:尊敬や社会的評価の取引 リテンション施策:リレーション施策投入・リプライ行動誘導 記憶の共同体=消費者の共同善実践 2020/03/22