ちくま新書<br> EU離脱 ──イギリスとヨーロッパの地殻変動

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ちくま新書
EU離脱 ──イギリスとヨーロッパの地殻変動

  • 著者名:鶴岡路人【著】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 筑摩書房(2020/02発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480072870

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内容説明

2016年6月23日。イギリスにおけるEU残留の是非を問う国民投票での離脱派の勝利は、世界に衝撃をもたらした。保守党のメイ首相の下で行われたEUとの離脱交渉は混迷を極め、ジョンソン首相に交代。数度の延期の末、2020年1月末に、ついに正式な離脱へ――。なぜ事態はここまで迷走したのか。それは、EUという存在のあり方と利害抜きには見えてこない。イギリスの内政問題という理解を超え、新たなヨーロッパ統合のあり方を見通す。

目次

第一章 国民投票から離脱交渉へ
第二章 延期される離脱
第三章 ジョンソン政権による仕切り直し
第四章 「主権を取り戻す」から国家の危機へ
第五章 北アイルランド国境問題とは何だったのか
第六章 再度の国民投票、離脱撤回はあり得たのか
第七章 離脱後のEU・イギリス関係の選択肢
第八章 イギリスなきEU、EUなきイギリスの行方
終章 ブレグジットは何をもたらすのか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

61
ブレグジットの国民投票から離脱が行われた本年1月末の直前までの、イギリスの政治状況と交渉過程を追い、その課題を明らかにした書。元々はネット上に上がっていたものをまとめたそうだ。よってやや重複があり、また時期により微妙な視点のずれもあるが、本書にまとめる過程での加筆でほぼ統一的な内容になっているようだ。全体的にはEUという「大きな存在」を失ったイギリスの今後の困難を指摘するとともに、EUにとってのイギリスの意義も示されている。アイルランドを巡る駆け引きなど興味深く読めた。しかし国民投票の怖さを改めて感じた。2020/04/15

壱萬弐仟縁

35
ブレグジッド年表では、2013年のキャメロン首相の提案に端を発する(027頁)。Brexitの他、Bremain(ブリメイン)もあったが、発音と簡潔さからBrexitになったようだ(032頁)。意味するところは、リスボン条約締約国を離脱すること。「ヨーロッパの生活様式」とは、自由や人権以上に、経済社会生活に関連する各種規制。環境基準、食品安全性基準、労働市場の規則が重要な要素(244頁)。ワクチン入手はEU残留か、Brexitか。2021/05/11

Francis

15
一年半積読。今頃読むのもどうかと思ったが、むしろ今読んであの時何があったのか冷静に振り返る事が出来た。テリーザ・メイ首相の迷走ぶりは菅前総理がコロナ対策で迷走しまくって辞任したのと大して変わりがない気がした。離脱派はそもそも英国がEUにどれほど恩恵を受けていたかわからないまま離脱へ暴走したのが真相らしい。と言って残留派もでどうやればEU残留に切り替える事が出来るか、現実的な策を考えていなかったと言う。残念ながら英国は大英帝国の終焉後の「普通の国」としての英国の在り方を描けていなかった、と言う事なのかな。2021/10/31

ほうすう

15
2016年のEU離脱が勝利した国民投票から始まるイギリスの混乱を描いた本書。ニュースなどで得る断片的な情報だけでは結局イギリスが何をしたいのかよく分からんと思い、本書を手に取った。 EU離脱における課題や論点、英国内の混乱などコンパクトにまとまっている良書。ただしいて言うならば、これの読者層として想定される人々からしたら自明なのかもしれぬが、なぜイギリスはそこまでEU離脱をしたかったのかといった点や、EUにおけるイギリスの立ち位置などもっと国民投票前史のようなものも説明してほしかった。2020/03/10

かんがく

13
国民投票から離脱までの4年間とその先を概説。ノリで国民投票して、その後は国内でグダグダ対立。僅差での離脱決定であり、残留派の意向を無視することは出来ない。イギリス離脱後のEUでの独仏の影響力、アメリカのトランプ政権との関係、二大政党の今後、安全保障と自由貿易、連合王国のスコットランドと北アイルランドなど様々なテーマがあり、単純化は出来ない。2020/10/14

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