内容説明
身悶えし命乞いをする女を、美しいと思った。初めて己れの生業を、嫌悪した。泰平の世に人を斬る業を、極め続けなければならない、山田浅右衛門。その家系も、6代目に至り、烈しい気象が息んだ。ただ一首、斬り損じた女の怨霊に翻弄される、浅右衛門の最後を描く、という表題作。ほかに「殺生関白」「座頭国市」など、エロティシズム溢れる、異形の8編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タツ フカガワ
2
久しぶりの柴錬本は、8話からなる短編集。その多くは、ある一線を越えると狂気に至る話で、なかでも「邪法剣」「首斬り浅右衛門」が面白かった。また登場人物全員が悪人という「怪談累ヶ淵」や、師匠が残した極意の言葉に至るまでの刀工を描いた「一心不乱物語」など、改めて柴錬のストーリーテラー力を再認識した本でした。2017/05/04
あここ
2
面白かってんけど時間かかったなぁ。。戦国系は苦手やから大混乱。。。『殺生関白』の関白さん切腹の時が好きやった・・・騙されたな、嵌められたな。。って分かって、じゃぁぁ奥さんは??ってそれだけが気がかりやったんが何か切なくて。ほいだらもっと信じれば良かったのに。吐け口で殺された人が浮かばれへんわ・・奥さんだって何のことか分からへんしなぁ。。勝手過ぎる。『四谷怪談』は伊右衛門さんが嫌なヤツで好きになれんかった。前読んだんは全然違う感じやってんけど。。あらすじいろいろあるんかしら。。欲に憑かれるとロクな事ないわね2011/06/12