内容説明
壱岐島は海賊の前線基地、対馬は海賊の集合地だった。佐渡島では、遠く離れた長崎と同じバッテン言葉が使われていた……。四面環海という立地条件に恵まれながら、海に背を向け陸地中心の考え方ばかりしてきた日本人に異議を唱える。海洋時代小説の第一人者が、自らの足でたどって考えた、海から見た日本の歴史。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糜竺(びじく)
41
直木賞作家の白石一郎氏が、島や他の事について記した歴史エッセイで、どの話も味わい深かったです。特に佐渡島の話は興味深かったです。長崎弁とそっくりの方言を使っているらしくその理由や、北海の寒々としたイメージが、訪れてみるとそのイメージが狂ったことを白石氏は述べていました。佐渡金山の話もあり、そこでの悲しい歴史も考えさせられました。あと、200年前に起きた九州の雲仙普賢岳の噴火の話もありましたが、今までは武士は偉そうにしているイメージでしたが、当時は武士が必死に救助活動をしていた事を知った時には驚きでした。2015/08/31
しんのすけ
1
長崎県の話がよく出て来るのでとても親近感がある。国東半島にも行ってみたくなったし鹿児島の西郷さんの足跡も訪ねてみたいと思った。時代が進んでそれまでの解釈が見直されることもあるが、おそらく西郷隆盛の話というのはあまり変わらないように思う。この頃の歴史を学校でもきちんと教えるべきと思うけどな〜2023/02/10
鬼山とんぼ
1
時代小説作家として、特に海あるいは九州北部に絡んだ人物が主人公の場合傑出したリアリティーで描き出す著者の歴史随想・紀行文集。千利休や西郷隆盛など、テーマは必ずしも表題に囚われないが、どれも簡潔だがポイントを的確に突いた文章であり、うんうんと頷きながら読んでいた。個人的には単純な紀行文「富貴寺へ」にいたく感銘し、何とかして国東半島を旅したくなってしまった。2017/05/22
左近
0
海と島という観点から歴史を見た表題シリーズに、長崎商人と博多商人との比較。島原、長崎、国東半島を訪れた九州発見の旅。茶人ではなく商人、政治家としての千利休に迫ったり、西郷隆盛が西南戦争に踏み出すまでの日々を描くなど、盛り沢山で、読み応えがある。これまでとは違った視点を提供してくれる、興味深い一冊。2012/05/10
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