文学の扉<br> みつきの雪

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文学の扉
みつきの雪

  • 著者名:眞島めいり【著・作】
  • 価格 ¥1,265(本体¥1,150)
  • 講談社(2020/01発売)
  • ポイント 11pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065181294

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内容説明

信州の村にすむ小学五年生の少女・満希は、都会からの山村留学生、行人と気の合う友人へとなっていく。
やがてふたりは同じ高校に進んだが、満希は地元で農家を継ぐことになり、行人は遠くの医大への進学を希望していた。
卒業式前日、中学時代にふたりで訪れた村の図書館で、行人は山村留学を選んだ理由を初めて語り始める。「第21回ちゅうでん児童文学賞」大賞受賞作品。(選考委員:斉藤洋、富安陽子、鷲田清一の各氏)

ひとつひとつのエピソードが、時間のはなれた前後のエピソードと有機的につながっているからでしょう。そのつなげ方が、この作家はうまいのです。──斉藤 洋

よく磨かれた丁寧な言葉で紡がれた美しい物語でした。だから、言葉と言葉が響き合い読む人の心を震わせます。 ──富安陽子

 「力のこもる指先の爪が白く変わっていく」。この表現に心底、ふるえた。─中略─
著者のそういう筆致は、もはや児童文学という枠を突き抜けていると思う。──鷲田清一

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のんき

89
長野県の山村に住む小学五年生の満希と、都会から「山村留学生」としてきた同じ五年生の行人とのお話し。美しい文章、丁寧な描写で読みやすいし、わかりやすいです。なぜ満希が、行人と距離をおいて付き合うのか。行人がどうして山村に来たのか、なぜ戻らないのか、行人の将来の夢など、お互いに話し合えるまでの関係になります。結局、行人は高校を卒業したら、村を出て行くけど、また再会できそうな終わり方で、わたしとしても、満希としてもよかったかな。雪の場面が印象に残る作品。2020/09/03

chimako

82
選書のための読書。いかにもYAな一冊。山村留学で信州の田舎にやって来た男の子は5年生の満希のたった一人の同級生になった。山村留学は2年が決まり。2年たったら戻っていく。どれだけ仲良くしても結局いなくなる「お客さん」 だから必要以上に仲良くしない。そう決めていた。だけど、留学生の行人はどこにも行かないと言う。丸7年を信州で過ごし明日は高校の卒業式。今までの思い出をたどりながら二人は中学校の図書室へ。かつてそこであった出来事が行人の未来を決めた。地域医療を学び再びこの街へ戻ってくる。二人の想いが爽やかだ。2021/05/20

はる

69
清涼な空気感。信州の小さな村に住む小学5年生の少女は、山村留学でやってきた物静かな少年と出会う。そして、高校を卒業する日、積み重ねてきた二人の想いは…。大きな事件があるわけでもなく、登場人物もほぼ二人だけ。でも二人のやり取りがとてもいいんです。素朴で誠実な二人だけの世界。相手を思いやる気持ちが丁寧に描かれています。心が洗われるような、爽やかな読後感。2020/08/14

ぶんこ

62
とても良かったです。山村留学してきた行人と、たった二人だけの同級生として仲良くなった満希との7年間の思い出が描かれていて、都会とは違った緩やかな日々の空気感が伝わってきます。学校帰りにネギの収穫を2人で行なう場面にはほのぼの。繊細な行人にとっては、満希との時間は穏やかで楽しいものだったのがわかります。医大進学と地元就職とで離ればなれになってしまうと寂しかったのですが、どうやら明るい未来がまっている予感。続きがあることを期待しています。2020/08/23

しゃが

60
良かった、読後はあたたかい、若者の未来に希望を見た。満希が通う5年生が一人の学校に穏やかで優秀な行人が山村留学。期間は延長され、2人は同じ中高に通った。卒業式前日に小学からの出来事を振り返りながら、今や未来のふたりを…。今までの友情や抱いてきた思いと成長が鮮やかに、切なく、さわやかに描かれていた。児童文学賞審査員鷲田さんの講評にもあったが、情景も心理も描写が美しく、小説ならではの映像が浮かび上がる。みつきの雪、行人の雪、私の雪と違っていいが、一緒でありたい。図書館は児童枠だったが、ぜひYA架においてほしい2020/03/21

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