われらみな食人種(カニバル) レヴィ=ストロース随想集

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われらみな食人種(カニバル) レヴィ=ストロース随想集

  • ISBN:9784422390017

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内容説明

現代思想に構造主義を持ち込み、知的光景を一新した人類学者レヴィ=ストロースが、晩年にイタリアの日刊紙『ラ・レプブリカ』に連載した時評エッセイ集。時事ニュースを構造人類学による大胆な連想と緻密な論理で掘り下げ、パズルを解くように描き出す。巻頭には実質的論壇デビューを果たした論考「火あぶりにされたサンタクロース」を収録。80年以上にわたる知的営為をエッセンスの形で読める、最良のレヴィ=ストロース入門。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

塩崎ツトム

9
レヴィ=ストロース最終講義(?)。補助生殖、観察するものへの観察されるもののまなざし。カニバリズムと狂牛病。芸術家、こだまの役割、モンテーニュ、ヴィーコ、オーギュスト・コント、そして神話的知性。「火あぶりにされたサンタクロース」も収録。2020/06/16

roughfractus02

9
ニューギニアのある部族に流行るクールー病、家畜の牛の餌に病原体のある牛骨粉を混ぜて発症する狂牛病、そして病原体のある脳下垂体や脳硬膜の移植で起こるクロイツフェルト・ヤコブ病は、同族を食べる「カニバル」に対するタブーを表す、と著者は言う。この類似性は、連続群としての自然、自然に触れる変換群としての無意識、弁別的で言語的な離散群である潜在意識からなる自然と文化の群論構造から説明される。全ては自然に触れているのだが、言語を操る人間とその技術にその連続性は変換され、分割され、粉々になって別のものに見えてくるのだ。2020/04/30

jackbdc

7
面白かった。自分自身の偏見と向き合うきっかけを与えてくれる。わかっているつもりで、実はわかっていなかった自分に気付く、その読後感が爽快。欧米や中国に対する日本の風習や価値観があべこべだとう話、農耕文化に対して狩猟文化が劣後するものではないという話は面白い。一番面白かったのは女陰切開と補助生殖の話。文化人類学の知見によって現代人が盲信する前提を覆す根拠を明解に与えてくれる。『いかなる慣行、習慣、習俗もそれ固有の文脈を踏まえなければ説明することはできない』という筆者の人間への洞察力の素晴らしさを堪能できる。2021/03/04

中山りの

4
図書館本。目当ては「火あぶりにされたサンタクロース」だったのだが、カニバリズムについての話がいちばん印象的だった。そうやって人はずっと、何かを取り込んでいかないといけないんだ。世界は以前と比べて多少きれいになって生臭さは減ったかもしれないけど、やっぱり其処此処に人が人をのみ込んで餌にする行為が溢れているんだ。ぼくも誰かを取り込んで、ひとり満足して、眠りについているんだ。 他にも宝飾品と朽ちていくべき肉体との対比など、おもしろい視点がたくさんあって刺激的だった。2020/06/02

やまうち

4
☆122020/01/30

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