内容説明
精神疾患とは、精神科医療とはどのようなものか? 本書は豊富な臨床経験を有する4名の精神科医が、自身の経験から構築し書き下ろした短編集である。統合失調症、うつ病、アルコール依存症、認知症など様々な精神疾患の発症から受診、診断・治療、リハビリ、社会復帰に至る過程を14編の小説としてわかりやすく示す。本書はきっと “精神科”のハードルを下げる一助となり、受診の契機や回復への道程を照らす希望の灯となるだろう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひこうき雲
69
知らない世界を覗いて見る。著名な精神科医師が小説を書いたということが驚き。双極性障害、うつ病、統合失調症、アルコール依存症、認知症…何となく聞いたことがあった病気がどんな症状かリアルに書かれいて、理解が深まりました。2021/06/22
ばいきんまん
7
珍しいタイプの本。主に精神疾患テーマの小説集。自分も双極Ⅱ型だからか、元々精神疾患には興味がある。特に統合失調症の症状はわたしにとっては不思議がいっぱいなので、引き込まれて読んだ。また、本人が納得する受け答えの一例も知ることができた。こんなにいい対応やアドバイスをくれる先生は少ないし笑、休職・復職しやすい職場環境もそう多くはないし、理解してくれる家族ばかりではないけど、これらが回復に向かうには理想的な環境。症例や、本人の気持ちがわかりやすく書かれている。2大精神病のほか、強迫症・アルコール関連・認知症。2020/07/22
真琴
5
うつ病、双極性障害、統合失調症、アルコール依存症、認知症というような精神科疾患の、症状、診断、治療、リハビリ・・・などについて、現役の医師が著した、短編小説集。実際に、こんなにスムーズに治療が進ものかとも思いましたが、精神疾患について分かりやすく書かれているので、病気の理解には繋がる良書だと思います。2020/03/01
azu3
4
統合失調症の3例のみ、つまみ読み。さすがベテランの創作、非常にありそうな事例として読めた。オススメ。2020/04/05
jam-jam-donkuma
2
うつ病、双極性障害、統合失調症、強迫症、アルコール依存症、認知症について、症状や医師とのやり取りなどが参考になる短編小説集。強迫症の確認せずにはいられない点を、あえて確認しないことで治療するというのが、印象に残った。2020/08/29