内容説明
着物は選ぶものではない。着物が人を選ぶのだ。糸に布に織りに――。入り組んだ情念を身にまとうとき、怪しい気配が立ちのぼる。日本古来の呪術・風水・民俗学などに造詣が深く、豊富な心霊体験を持ち、様々な分野で活躍する作家・加門七海氏。日常的に着物やアンティークを身につける本人の実体験や見聞きした逸話の数々……着物をめぐる怪しくも深遠な世界が綴られる十一章。
目次
帯留
振袖
古着
足袋
衣擦れ
糸
東と西
帯
帷子
薄物
文様
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
259
着物にとりついた”怪談話”、かと思ったら、着物を愛しすぎた加門さんの美しいエッセイ集だった。単なる着物の紹介にとどまらず、日本の在り方や文化の独自性が語られて面白かった。「粋は地味のイキどまり」。江戸っ子気質の”粋”は、究極の地味が行きつくところだという。例えるならば江戸小紋。近くに寄らなければ見えないような文様に、精緻を凝らす。日本人だな~とつくづく思う。下駄の1寸と、着物の1寸。同じ単位でありながら長さが違う! 下駄は曲尺(かねじゃく)、着物は鯨尺を使うから。こんな基本も知らなかった自分が恥ずかしい。2020/03/26
KAZOO
108
加門さんの着物やそれに関する小物などについてのさまざまなエッセイや掌編が収められています。着物を愛用している著者ならではの蘊蓄などが述べられていて着物をいまだ来たことがない私にとってはこの分野の知識が増えました。最近は卒業式や成人の時にしか着ないのでしょうが、もう少し着る時があってもいいという感じがしますね。2021/11/06
ハイランド
100
着物着物着物怪異着物着物ぐらいの感じで、加門氏にしては怪しの影が薄い本だった。所々に彼女らしいエピソードがあり、それなりに楽しめるのだが、9割が着物の話なので、着物に関する知識が無い人間には、話が見えない。考えれてみれば、日本人の大部分が、旅館の浴衣と死装束を除けば、一生正式な着物など着る機会がなく過ごすわけだから(特に男は)可愛そうな民族衣装である。着物の人がいたら、結婚式かいなと思われるぐらいだもの。人が、何かにハマっていく過程と、アンティークには下手に手を出さないほうがいいということがよくわかった。2020/02/04
おたけஐ೨💕🥒🍅レビューはボチボチと…
65
81/100点 加門さんの着物に纏わるエッセイ集。怪談ものの小説と思って読み始めたらエッセイ・・・。それも着物に対する著者の熱い想いが籠った内容で、当方着物とかにトンと縁が無いのでもうひとつ入り込めませんでした。2020/03/23
ポチ
65
着物に纏わる妖しい話かと思ったら、着物に取り憑かれた加門さんの、着物愛がいっぱい詰まったエッセイだった(ちょびっと霊的な話有り)。ただ、着物にはほとんど興味がない自分には???がたくさん付きキツかった。2020/01/07
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