新☆ハヤカワ・SF・シリーズ<br> 荒潮

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新☆ハヤカワ・SF・シリーズ
荒潮

  • 著者名:陳楸帆【著】/中原尚哉【訳】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 特価 ¥1,188(本体¥1,080)
  • 早川書房(2020/01発売)
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  • ISBN:9784153350465

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内容説明

彼女の名前は米米(ミーミー)。中国南東部のシリコン島で日々、電子ゴミから資源を探し出して暮らす最下層市民“ゴミ人”だ。彼女たちは昼夜なく厳しい労働を強いられ、稼ぎは何代にもわたって島を支配してきた羅、陳、林の有力御三家に吸い取られていた。しかし、テラグリーン・リサイクリング社の経営コンサルタント、ブランドルと陳開宗が島を訪れてからすべては変わり始める。テラグリーン社の環境再生計画に翻弄され、利権を奪い合う御三家たち。いっぽう、米米は開宗と恋に落ちるが、想像し得ない未来が彼女を待ち受けていた……『三体』の劉慈欣が激賞した、中国SFの超新星によるデビュー長篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

83
ボディも機械によって簡単に交換できるようになった近未来。簡単に使い捨てできるボディはシリコン島で処理される。しかし、実際にゴミ処理に当たるのは、出稼ぎに来た人々だ。彼ら彼女らはゴミ人として島民に蔑まれ、御三家によって取り分の大部分を吸い取られる。そんな彼らの静かな鬱屈が募る中、そんな関係性を切り崩す出来事が起こる。利己的な欲望の肥大化を促すも恩恵もあるグローバル化、アメリカと中国の関係、科学が台頭しながらも呪術に縋る社会の描写が見事。しかし、優しくて普通の女の子だった米米が異存在になる出来事が悲しすぎる。2020/06/06

keroppi

69
「三体」の劉慈欣が激賞しているというので読んでみた中国SF。電子ゴミから資源を探す最下層民ゴミ人という設定が、中国の格差社会を象徴しているようだ。そこから広がるサイバーパンクの世界は、面白いのだが、激賞というほどには乗れなかった。「なんでもかんでも因果関係をでっちあげる。関係ないものを無理やり関係づけ、失敗の原因が自分にあることを直視しない。」のが中国人の考え方だと書いていたり、「他国をゴミ捨て場とみなすアメリカ人がよく言う。」なんてセリフがあったりする。こういうSFの中に、今を見る視点があるのかも。2020/07/19

あさうみ

46
資源ゴミ、環境破壊…。富を得た人々、便利になる社会、その一方でツケを払わされている風刺。社会問題をからめたサイバーパンクから、攻殻機動隊が頭をよぎる展開へ。統治争いの末に選んだ結末、切なさを感じる。中国の抱える問題である葛藤を物語を通して伝えたかったのだろうかな。2020/02/18

星落秋風五丈原

40
いたいけな少女が酷い目にあって覚醒するのは日本のアニメみたいだなぁと思った。2021/10/23

崩紫サロメ

38
近未来の中国、「シリコン島」と呼ばれる産業廃棄物の廃棄地となった島を舞台とした物語。「ゴミ人」と呼ばれる出稼ぎ労働者、島民、アメリカ企業の思惑が交錯するドラマで、近年の中国SFらしく環境問題が大きく取り扱われている。面白かったのが言語。シリコン島の島民は潮州語を用いるが、ゴミ人は標準語を話す。これは中国語版では漢字で差異が表現されていないが、英語版では声調付きで区分されていたという。原文以上に翻訳がニュアンスを忠実に再現するという面白いケースだと思った。2020/09/29

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