憲法と日本人 1949-64年改憲をめぐる「15年」の攻防

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憲法と日本人 1949-64年改憲をめぐる「15年」の攻防

  • ISBN:9784023318311

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内容説明

NHKスペシャル「憲法と日本人」では放送できなかった証言なども含め、膨大な一次資料を基にした、これからの憲法論議に必読の一冊。「押しつけ憲法」への批判、再軍備を迫る米国や経済界の思惑。戦後一度だけあった国民的大議論。新たに発掘された歴史的事実から、知られざる「15年」の足跡をたどる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

40
憲法調査会副会長矢部貞治氏のところ。国民は政治よりも経済が大事だと考えるようになっていた。「国民が求めていたのは、今日・明日の暮らしというか、生活面での改善のほうが強かったように思うんです。やっぱり国民にとって一番大事なことは、国が安定して経済が発展していくことでした」(182頁)。翻って、現代の改憲勢力が支配する政治とは。恐ろしいの一言。平和憲法を死守しなくては、国民の人権や自由が剥奪される。 2021/11/06

更紗蝦

30
NHKスペシャル「憲法改正と日本人~1949-64年 知られざる攻防~」の取材記録ですが、放送には盛り込まれていない内容が加えられており、特に宮沢喜一氏と広瀬久忠氏が残した資料が貴重です。憲法といえばしばしば「GHQからの押し付け」という言い方がされ、あたかも「改憲」=「アメリカ追従を止める」的なイメージになっていますが、実際には改憲はアメリカ追従を強化するものであり、改憲議論のそもそものきっかけは「日本を共産主義の防波堤にしたいアメリカ」と「戦争で金儲けしたい日本の経済界」の利害の一致です。2020/03/04

どら猫さとっち

8
戦後の日本、15年もかけて改憲をめぐり論争が繰り広げられた。そして日本国憲法は70年以上、改正されることはなかった。今、自民党によって改憲が進もうとしているなか、NHKスペシャルではその経緯などを放送、その内容を本書でまとめた。これを読み、安倍晋三をはじめ、自民党議員たちは、過去にこのようなことがあったのを、それでも知らずにいるだろうかと、強烈に思う。改憲はあってはならないと改めて強く思う一冊。2020/06/04

のぶ

3
最近とみに(メディアとして)腐敗(若しくは権力との癒着)が目立つ某公共放送ですが、中にはしっかりした仕事を残す報道人もいるようで、本書は(彼らが放映した番組と共に)日本にとって(ひいては世界にとって)価値のある業績だと思います。少なくとも私が疑問だった事、本当に我らの憲法は某国家反逆者が宣ったように「押し付けられた、イジマシい憲法」だったのかどうか、かなり明確にNOの答えを出してくれています。正確に言えば(改憲の下心で作られた)憲法調査会が結果的にNOと言った、という歴史を再発掘してくれた本、と言えます。2020/07/26

Ohe Hiroyuki

3
朝鮮戦争を機に我が国で再軍備の議論がなされ、国会において憲法調査会が設けられ、その報告書が出たところまでの経緯につき、故宮澤喜一元総理の日記や広瀬私案を書いた広瀬久忠氏の所蔵資料など新たなに発掘された資料につき振り返る一冊。▼本書の最後の見出しが「憲法議論の現在地」とあるように、かつての民社協会(今でいう国民民主党)のように「論憲」の立場に立つ書籍であるが、戦後まもなくから東京オリンピックまでの我が国の政治情勢を知るには有用な一冊といえる。2020/03/05

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