内容説明
夫婦の生活が幸福なら人生は信頼するに足りるものとなり、夫婦の生活に憎悪が入り込んでくれば現世は懐疑に満ちた世界になる。極限の愛から一方の裏切りによって極限の憎しみへ。亡くなれば極限の喪失感へ――本書は、結婚で幸せになれるかなれないか、自身の体験をまじえて綴った名エッセイの新装復刊したものを電子書籍化。「狭量な夫は、家庭の暗さの原因になる」「結婚式の相談で相手が嫌になって破断したというのは、災いを最小限にくいとめた幸運と思うべき」「人が本気で気にしていることは、どんな喧嘩の最中でも言ってはいけない」「結婚を望むと言いながら、会わない前に条件をつける人は、結婚ではなく商取引を望んでいるだけ」など、読者の結婚と人生の参考になる知恵がつまっている。夫・三浦朱門氏を2017年2月に空の上に送った著者が最後の日々を書いた「忘れるための月日」を巻頭に特別収録。亡くなってもなお変わらないおしどり夫婦ぶりが伝わってくる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雨巫女。@新潮部
12
《私-図書館》素敵な夫婦だなあ。私も、運だと思う。私は、もっと長く夫婦生活したかったなあ。(8年間だけ)2021/10/28
ひとひら
4
★★★★ グイグイくる。分別なんかついちゃいない年頃に決断するのだから、ほぼ運。面白い。2017/11/25
kyonkyon
3
何も知らない、人をみる目もない若造が結婚をするなんて、9割は運。歳をとれば人をみる目が養われるかといえば、そうでもない気もしますが。つまるところ、人間関係は信頼と尊敬。ちょっとした生き方の好みの問題で、相手がいても孤独ということは十分あり得る。結婚しなければ、これほど一人の人間のことを知る機会はないのだろうが、知らない方がよかったこともあるのが残念。2018/03/25
りんふぁ
3
勝手に曽野さんは独身だと思ってたんです。申し訳ない(・・;)それだけ依存心が感じられなかったので。なので巻頭伴侶の死から始まり戸惑いました。私自身、幸い伴侶がいますが、運もかなりあったと感じること多々あります。夫婦はほんと不思議な関係で、でも毎日帰宅し休日も出来れば家にいたいと思ってもらえるのは、それだけ居心地がいいという証なのか、と改めて気付かされました。寛容、我が伴侶にも当てはまります。有難い。2017/12/04
ひめぴょん
3
曽野節全開!なぜか私にはしっくり来ます。合わない人には会わない考え方かもしれませんが。人間の評価の基準というのは、実にさまざまだと思うし、さまざまであることによって、この世は楽しくもなっており、救われているのだと思う。→イケメンや美女だけが結婚できるわけではない。義理でやることは、自然さが欠けるから美しくないし、それは人生を切り売りすることである。それにそういう気持ちからしか付き合わない人たちというのは、人間を功利で考えているのだから、そういう人たちと仲良くなっても仕方ないのではないか、という論理である。2017/11/17