内容説明
自分の凡庸さを自覚している大迫祐樹(おおさこゆうき)には、成績優秀で野球部エースの赤根凜空(あかねりく)と学校一可愛い月摘知海(るつみちひろ)という友人がいる。二人は誰が見てもお似合いで、自分は間を取り持つモブキャラなのだ、と認識する大迫だが、なぜか月摘と2人で映画に行くことになってしまう。「デートだね」とはにかむ月摘に戸惑いながら帰宅した大迫の前に、見知らぬ少年が現れて問う。「君の願いは、なにかな?」それは異能を秘めたモノたちへのバトルロワイヤルへの招待だった。「僕……の中にも異能があるのか?」しかしそれすらも「完全な勘違い」だったのかもしれない――!! 予想を覆す怒濤の展開。審査員評が完全に割れた事件的怪作、刊行。【電子限定!書き下ろし特典つき】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
38
屈指の進学校に入学し自分の凡庸さを痛感した大迫祐樹。成績優秀で野球部エース赤根凛空と学校一可愛い月摘知海という二人の友人を取り持つモブキャラ役を自認する彼が、謎の少年から異能バトルロワイヤルに招待される物語。甘酸っぱい青春小説っぽい導入からの思っても見なかったいきなりの急展開。次々と登場する異能を秘めた登場人物たちのバトルロワイヤルを引き起こした黒幕の真意。強者と思われた異能者たちが次々と退場してゆく展開には驚かされましたが、伏線を回収していった先にあった意外な対決とその決着はなかなか良かったですね。 2020/03/02
ツバサ
20
殺し合いで、どんどん進んでいく展開に惹きつけられました。バラバラに視点が切り替わっていく群像劇で、最後に1本に繋がったのが快感でした。主人公の頑張りに胸が熱くなりました。2020/01/31
ℳℯ
19
★☆☆☆☆ 正直、微妙だった。事件的怪作ということで楽しみにしていたのだが、どんでん返しがあるのかと思えば想定内の範疇で謎が明かされていったし、叙述トリックとしてもどうもイマイチ。それなりに買って後悔したレベルだった。強いて気になった点を挙げると、最後の数行は何か意味があったのだろうか。あれが真のどんでん返しだとしたら申し訳ない。私には理解できなかった。2021/02/16
真白優樹
16
野球部エースと学校一可愛い友人を持つ凡庸な少年が謎の人物から異能を用いた殺し合いに誘われ、始まる物語。―――主人公は一人だけ、故に世界はそこに集う。 正に怪作、圧倒的に怪作。実験的なようであり叙述的でもある、破綻しているように見えて全ては一つの線の上。命の価値が軽すぎるエグさと群像劇の視点を重ねて最後にちゃぶ台返しをするような物語であり、圧倒的混乱が覆った瞬間に思わず唸ってしまうかもしれぬ、見事としか言えない物語である。一巻でまとまっているので手軽に楽しめる点も良い点である。 うん、面白かった。2020/01/24
リク@ぼっち党員
14
MF新人賞でちょいちょい出現するカテエラ。紛れもなく異能によるバトルロワイヤルではありながら、ここまでセオリーを無視した作品は初めて読んだ。既存の作品に風穴を開けるが如きその心意気を高く評価したい。まず斬新な手法に目を奪われるが、作品としても高い水準でまとまっていたと思う。多人数視点なのに違和感がない。読み終わればきれいに繋がった一本道になっていた。設定に比べると大人しめではあったが、よく練られた物語だった。今後に期待の出来る作者さんだ。2020/01/29
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