岩波新書<br> 世界遺産 理想と現実のはざまで

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岩波新書
世界遺産 理想と現実のはざまで

  • 著者名:中村俊介
  • 価格 ¥924(本体¥840)
  • 岩波書店(2020/01発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004317913

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内容説明

「国際社会で人類の至宝を守り、後世に手渡す」の理想を掲げ、観光資源としても注目される世界遺産。だが、登録物件が増え続けるなか、いくつもの遺産が危機に瀕し、また各国の政治的介入が常態化するなど課題や矛盾が噴出し始めている。数々の世界遺産の現場を訪ね歩いたジャーナリストがその「光と影」に目を向けながら、文化遺産保護の未来について考える。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

あやの

41
世界遺産検定に向けて2冊目。世界遺産条約の光と影について広く知れた。特に「宗像・沖ノ島」「潜伏キリシタン関連遺産」「明治日本の産業革命遺産」登録にまつわる陰の部分は興味深い。ユネスコ憲章の「平和のとりで」が皮肉に聞こえるほど、各国の思惑が渦巻いているし、求められるストーリーのために構成資産から外されることも。登録されたがゆえに自由に用途を変えることもできず、逆に廃れていく場合もある……。世界遺産とは何なのかを深く追究した本だった。公式テキストからは知ることの出来ない内容で、面白かった。2025/11/15

きいち

33
世界遺産、というと私は、姫路城やパルテノンよりも五島の教会やルソンの棚田といった知る人ぞ知る存在が思い浮かぶ。世の中全体から大切にされてきたとはいえない存在に特別な光が当たり、無関心だった人も手の平返しで予算投入を支持する様子はノーベル賞に似た感じ。いや決してそれが悪いことというわけじゃない。OUV(顕著な普遍的価値)を示し、その影響を受ける再帰的な過程こそ、このご時世大切と思うからだ。政治や産業との正しい妥協の追求。それは日本だけのことではないようだ。せめぎ合いの実態を幅広く教えてくれる得難い本だった。2020/01/14

浅香山三郎

23
世界遺産の思想や背景にある基本的な考ヘ方を抑ヘた上で、近年の過剰な登録合戦や国威発揚への利用などの動きを解説する。日本についても、「宗像・沖ノ島」あるいは「九州・山口の近代化産業遺産群」、「潜伏キリシタン遺産群」などを例に、内容の多様化と政治的な問題化が論点となつたことなどを論じる。また、文化・文化財・民俗に関する考ヘ方の違ひから、世界遺産から漏れてしまふ地域では大事な事物の存在など、世界遺産の限界にも注意を促す。文化財担当記者ならではのカバー範囲の広いしつかりした解説書である。2020/03/17

terve

23
現在の世界遺産条約は、それが作られた当時の目的とはかけ離れたところにあり、当時との乖離が生まれてきています。結局のところ時代が動いていること、普遍的な思想はありえないということが浮き彫りになってきています。「記憶遺産」なども存在していますが、ユネスコの世界遺産を選定する委員はさぞかし頭の痛いことだろうと思います。国々の思惑等もあり、一筋縄ではいかない問題ですね。2019/10/03

さとうしん

12
世界遺産の概論というよりは、近年の申請・登録状況や関連の問題をめぐるルポといった感じ。遺産の保全と現地住民の居住環境とのバランス、実は観光集客に結びついてないという問題、「産業革命遺産」や「世界の記憶」をめぐる政治利用・政治判断の問題など、近年問題になったトピックは一通り触れられている。韓国絡みの話も、疑問点がないではないが、韓国特有の特殊な問題ではなく普遍的な問題として位置づけ出来ていると思う。水中遺産に関する話題に紙幅を割いているのも特徴。2019/09/07

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