内容説明
私たちは正しくなるために何が必要なのか? 正しさに太刀打ちできるものなどない!!
本書は、現代思想の理論を駆使し、「正しい」という言葉を徹底的に解剖し、愚直までに「正しさ」の意味を考究した理論書です。まず著者は「正しさ」が力であるという前提のもと、「正しさ」を考えるための基本構図を設定。正しさの判定を論理と事実によって行います。しかし、「正しさ」が常に勝つことはなく、「正しさ」が現実には敗北することさえあることを明らかにしていき、私たち人間の本質矛盾を突いていきます。そして「正しさ」の論理と事実の妥当性は人間のコミュニケーションにあるとし、詳細な事例を紹介していきます。また長年の哲学的難問「真理」と「正義」についての考究に入り、締めくくりに「言葉」の力についての鋭利な著者の分析を行います。 また本書に登場した哲学者たちの著書のブックガイドを添え、哲学ビギナー対しての便利な舵取りを行っております。 著者の高田明典は現代思想評論家であり、フェリス女学院大学教授で、これまでに、構造主義や現代思想、メディア、ネット関係の多く書物を出し注目をされております。本書は著者の渾身書き下ろし作品です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
82
表題そのまんまで、「正しさ」の意味と根拠を論じる。現代思想の援用があるが高校生大学生レベルの内容で平易な書き方。現代人間や社会での「正しさ」とは、「正義」とは、「正しさ」の根拠や誤謬の例など。個人それぞれが正しい場合、どうすればいいのか、「正しさは「判断基準の一つ」でしかない」などといろいろ興味深い論考。個人的に関心のある哲学の認識論で、一気に読んだ。聞きなれぬ出版社の本で入手が難しいのだがぜひおすすめ。道具として活用するための哲学思想として。2017/11/07
ちさと
25
主観は自分自身の考えを「正しくない」と考えることができないし、個別の正しさの生成は全く自由に行われるべき。絶対的な正しさなど無いのだから、社会の全ての成員は可謬主義の前提に従いつつ「ある正しさ」と「別の正しさ」を戦わせる。○○とは何か、といった形而上学的なことが好きだけど、いくら考えても真理に到達するわけでは無い。だからと言って完全に無菌状態にできないから、ドブ川で手術しようともならない。意味のない事なんてないはず。2018/09/22
テツ
13
絶対普遍の「正しさ」などない。そして客観的に観察するという安全な立ち位置から一歩でも近づいてしまい、自分が一瞬でもその「正しさ」を信じてしまったのなら、その力から逃れることはとても難しい。「正しさ」の意味と根拠を深く知った上でだって、対立する双方どちらもが客観的に見てもそれなりに「正しい」という場合だって容易に想像できるわけで。「正しい」「正しくない」の単純な二元論であらゆることをジャッジできるという思い込みが、そもそもの躓きな気もするな。2023/01/03
簾
0
考え方近いなぁ、と思うものの、なんかズレてる気がする。内容云々ではなく考え方が近いのにも関わらずズレてると思うのは中々面白いなと思うわけで。2019/07/28
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