エイサー物語――移動する人、伝播する芸能

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エイサー物語――移動する人、伝播する芸能

  • 著者名:塚田健一【著】
  • 価格 ¥3,080(本体¥2,800)
  • 世界思想社(2020/01発売)
  • ポイント 28pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784790717294

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内容説明

「大切なことは生きていると実感できる瞬間であり、それを与えてくれるのがエイサーなのだ」――沖縄の盆踊りであったエイサーが、いまや日本全土、世界にまで広がっている。芸能伝播の現場で何が起きているのか。エイサーを踊り、歌い、伝えた人々の物語。

「はじめに」より――
さて、本書はたしかに研究書の体裁をとってはいるけれども、内容そのものは「物語」と言ってよいものだ。研究が進展するにつれて、伝播過程をたどる調査の結果が、そのまま一種の「物語」を形成していることに気がついた。それゆえ、本書の最大の特徴は、研究書と物語との、この異例の合体にある。その物語は八重山諸島から始まるが、しかしそこに留まらず、沖縄本島を縦断して日本本土にまで達する。その間に、戦後沖縄の「密貿易」の興隆とか、エイサーの手踊りに使われる「はたき」(ぜい)の由来とか、はたまた沖縄の若者の本土就職の状況とか、いくつもの小さな、あるいは場合によって、大きなエピソードがちりばめられている。その結果、本書は一般のエイサーファンの若者たち、すなわち、エイサーを愛してやまない、エイサーの魅力のとりことなった若者たちにもアクセス可能な内容となっている。とくにエイサーを実践しながら、エイサーそのものについてもっと知りたいと思っている若者たちに本書をぜひ読んでほしい。本書は、そもそもそうした若者を念頭に置いて書かれているからだ。

目次

はじめに
第一章 エイサーの伝播
第二章 エイサー研究を振り返る
第三章 エイサーを分析する
第四章 久部良からのエイサー伝播
第五章 双葉エイサーの復活とその背景
第六章 「密貿易」とエイサー
第七章 久部良エイサーの「はたき」をめぐって
第八章 エイサー伝播の社会的背景――人の移動と社会変動
エピローグ――フィールド再訪