中公新書<br> 幸福とは何か ソクラテスからアラン、ラッセルまで

個数:1
紙書籍版価格
¥968
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

中公新書
幸福とは何か ソクラテスからアラン、ラッセルまで

  • 著者名:長谷川宏【著】
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 中央公論新社(2020/01発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121024954

ファイル: /

内容説明

幸福とは何か――。この問いに哲学者たちはどう向き合ってきたのか。共同体の秩序と個人の衝突に直面した古代ギリシャのソクラテス、アリストテレスに始まり、道徳と幸福の対立を見据えたイギリス経験論のヒューム、アダム・スミス。さらに人類が世界大戦へと行きついた二〇世紀のアラン、ラッセルまで。ヘーゲル研究で知られる在野の哲学者が、日常の地平から西洋哲学史を捉えなおし、幸福のかたちを描き出す。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Yuma Usui

31
幸福について、西洋哲学ではどう扱ってきたのかをソクラテスから現代にかけて解説。共同体と個人の関わりが歴史を経るにつれて変わり、幸福と呼べる状態が時代毎に変わっていった様は興味深い。アランの幸福論において、「自然にたいして、また他人にたいして、自在でゆたかなつながりを保つことを幸福の名で呼んだ」「幸福になることは他人に対する義務でもあることだ」などが印象的だった。2022/01/11

踊る猫

28
あまり前のめりになって読むことは出来なかった。「幸福」というテーマで古今の哲学者がどう書いてきたかが概説され、そのチャート化は流石と思わせられる。だが、こちらが期待していたような、日々の細やかな幸せについて語られたものではなかった。だから話が抽象的過ぎてついていけなかった。とはいえ、アランの『幸福論』に手を伸ばしたくなったのもまた確か。メーテルリンクの『青い鳥』に触れたあたりから本格的に「幸福」が論じられるかと期待したが、どうも戦争に代表される天下の「禍福」と些事の「幸福」がごっちゃになっている印象を抱く2019/08/07

ころこ

28
幸福論が難しいのは、幸福を直接認識しようとしても主観的で各々異なっているため、知らず知らずのうちに自己啓発のようになってしまうからです。著者はこの難題に対して、手堅く幸福論の歴史を追うことによって応えようとします。ヒュームやスミスは別の論点として興味深く読みましたが、多くは認識論の系譜を追っているだけに終わっています。その中で、最初にあるソクラテスの幸福観が図らずも幸福の構造を示しています。クセノフォンやプラトンがソクラテスの最期を記録していますが、ソクラテスの内心に深く分け入っている訳ではありません。そ2018/10/11

テツ

23
大多数の人々は意識的にしろ無意識的にしろ幸福になることを目的として日々活動しているのだろう。だけどそもそも幸福とはなんなのかということを考えるには至らない。思考を重ねてみれば幸福感には一つとして同じ形がなく人それぞれ固有の価値感により成り立っているのだということはぼんやりと解る。社会的な価値感により刷り込まれた幸福とあなたが真に感じる幸福との間には大きな隔たりがある筈。一度古今東西の哲学者による幸福論を読みながら自身のそれについて考えるのも良いかもしれない。その幸福は本当にあなたが思う幸福ですか?2019/11/06

koji

19
深い思想を平易な言葉で綴る名著です。「哲学者はいかに幸福論を語ってきたか」を論じています。まず何より、取っ掛かりの、与謝蕪村の絵、長田弘の詩、佐野洋子の「百万回生きたねこ」の引用が素晴らしい導入です。その後、古代、近代、現代の哲学者の文献を渡り歩き、現代の幸福を論じます。私は、「アダム・スミスの人と関わって社会を生きることが幸福という論」、「身の回りの幸福は、自分の身を置く足場から考え、作り上げていく」、「幸福論は、晴れがましさとは縁遠い地味で、ゆったりした、穏やかなもの」という言葉に感銘を覚えました2018/08/29

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12878204
  • ご注意事項

最近チェックした商品