内容説明
尊皇攘夷の声、漸く高まる花のお江戸。麗しい双子の将軍家息女をめぐり、公卿と幕閣の間に、陰謀が企てられていた――暗躍する刺客団に立ち向うは、滅法強い謎の剣士・笛ふき天狗、そして孤独の影やどす美丈夫・きらら主水(もんど)。運命の糸に操られ、快刀乱麻を断つ大活躍……痛快無比、胸のすくような一大ロマン。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海さん
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読みやすいし爽快だけど、やっぱり時代モノはどれも似てるなあ。2016/06/10
八丁堀
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大奥に将軍家治の息女として双正児が誕生。双子にまつわる忌まわしい迷信で、絶たれる筈の片方の生命が御乳の人の必死の守護によって生き延びた事が全ての始まり。一橋治済を首魁とする禁裏占領の陰謀、暗躍する刺客団、隻腕の剣鬼、陰謀に立ち向かう二人の謎の剣士、きらら主水と笛吹き天狗。そして柴錬にしては、珍しい純愛も絡ませ軽い軽い物語と思いきや、将軍家治の「生き延びた姫を御乳の人の子息に妻わすべし」と云う幼くして許婚たる事が決められていた書状と云う正に心憎い作者の趣向に胸打たれる。とにもかくにも面白い。痛快無比。2012/07/18