講談社文庫<br> 治部の礎

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講談社文庫
治部の礎

  • 著者名:吉川永青【著】
  • 価格 ¥1,034(本体¥940)
  • 講談社(2020/01発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065181003

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内容説明

大義、嫉妬、敵愾心。押しつぶされそうな時もある。
この三成は、屈さない。

あの嫌われ者は、何のために闘い続けたのか――。
豊臣家への「義」か、はたまた自らの「野心」からなのか。
覇王信長の死後、天下人を目指す秀吉のもと、綺羅星の如く登場し活躍する武将たちを差し置いて、最も栄達した男、石田三成。彼の「眼」は戦国を優に超えていた――。

歴史の細部を丁寧に掬う作家、吉川永青が現代人に問う、政治家石田三成の志。渾身の書き下ろし長編小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Book Lover Mr.Garakuta

19
自分は歴史が好きなわりには、史観もなく、見識も浅い。なので当時の主要人物の一翼を担った人たちが多く出てくるこの書籍の主人公である石田三成の人物像はあまり知らなかったが、この小説を通して、ある程度の人物像は推察・推測できた。彼らの活躍を通して名を残せる程の人物でありたいと思ったのであろうか、日本をカタチ造ろうとして活躍する。最後は、内府(家康)の権謀術数と策略の前に敗退する。物語は備中高松城攻めから始まるが、三成は若いころからその才能を認められ頭角を現したようである。2020/02/17

ryohey_novels

6
石田三成好きには非常に好ましい人物造形であったが、物語は至って平凡という感想。豊臣の忠臣ではなく、天下泰平の大義を貫く三成像。例えば、朝鮮侵攻も国の利益とならない挙兵の早期終結のため、好戦派を陥れ停戦を急ぐなど、常と異なる視点で事件の印象も変わる。島清興・大谷吉継という二人の友の描かれ方も良い。無念の最後も三人で共通の思いを共有できたことは何よりも辛福だっただろう。最後の家康への啖呵は痺れた。三成の「1度の戦で豊臣を滅せよ」という衝撃のセリフ。事実、家康が“治部の礎”で近世日本を築いたことは実に感慨深い。2025/09/18

茶幸才斎

6
いくさ下手と嘲られ、糧道・兵站整備に奮闘するも臆病者と罵られ、まつりごとに威厳と公平を求め時に苛烈に臨み、時に策を弄すれば、たちまち憎まれ、嫌われ、恨まれて、見れば周囲は敵ばかり。余人ならくさって自棄でも起こすところ、豊臣政権下で主君のため奉行職に邁進し、その才能を遺憾なく発揮した石田治部少輔三成は、戦乱の世に秩序を求め一途に奔走した。天下分け目の戦において、わずか1日で惨敗を喫した彼に、高すぎる理想が空回りしたと訳知り顔で評する者は、最後に彼が勝者徳川家康に浴びせた抜き身の天下論に、慄き沈黙するがいい。2021/04/27

tako_machida

4
偏屈というか信念を貫く石田三成がカッコ良かったです。左近や刑部、兼続との良好な関係は知られていますが、官兵衛とのエピソードは新鮮でした。2020/04/05

YUJIRO

3
三成に好意的すぎると思うが、小説なので、このくらい大胆な解釈があった方が面白い2021/08/14

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