内容説明
男女の恋をテーマとする日本で最初の劇作品『曾根崎心中』、喧嘩っ早いヤンキー達が躍動する『夏祭浪花鑑』、泣くことが許されない男のためのドラマ「熊谷陣屋」――近世という時代が生んだ八つの名作を精読すれば、ぶっ飛んだ設定、複雑なプロットの中に、愛おしい人間達が息づく。最高の案内人が遺した最後の案内書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
maekoo
9
校正前直前に病に倒れ惜しくも帰らぬ人となった橋本治氏の遺作のひとつで「浄瑠璃を読もう」の続編。 そこの経緯や文楽=浄瑠璃に対する橋本氏の独自の視点や作品の分析の面白さを巻末で「解題」と表して日本の芸能文化史に造詣の有る矢内賢二教授が解説して下さっていて更に深める事が出来る。 この巻では「小栗判官」「出世景清」「曽根崎心中」「双蝶々曲輪日記」「摂州合邦辻」「一谷嫩(ふたば)軍記」「伊賀越道中双六」の7作品をいつもの軽快で深掘りな橋本節で解説! 7作品どれもぶっ飛んだ設定と登場人物で笑わせてくれる! →②2026/03/07
ゆうこ
9
3月に『一谷嫩軍記』を鑑賞に行くので予習としてこの本を手にした。一冊全部では無くこの話だけを読んだが、これはよかった。平家物語をベースにした親子の話、しかもほぼ公演されないであろう箇所も丁寧に説明されていて、初めて浄瑠璃を観劇に行くものとしては本当にありがたい本でした。行く前にもう一度読んで、観劇に臨みたいと思います。2022/01/09
ツキノ
8
『渦』を読んで浄瑠璃を観てみたい!という気になったので、実現前に読んでみる。しかし『浄瑠璃を読もう』の続編とは思わなかった。8作品(小栗判官、出世景清、曾根崎心中、夏祭浪花艦、双蝶々曲輪日記、摂州合邦辻、一谷嫩軍記、伊賀越道中双六)のストーリー解説。まるで当時の様子をわかっているかのよう。作品を観る機会に再読したい。2019/11/16
えいこ
4
「浄瑠璃を読もう」の続編。これで曽根崎心中、摂州合邦辻など、よくかかる演目も網羅。通しで上演されることは少ないので、物語全体の理解が進む。書かれた時代背景や作者の位置づけなど、知れば知るほど面白くなる。 浄瑠璃の物語は、現代から見れば不条理で極端なものが多く思えるが、当時の観客である町人たちには、それがカタルシスにもなったのであろう。2026/01/07
amanon
4
同趣旨の『読もう』も読んだけれど、未だに浄瑠璃と文楽との定義、それに歌舞伎との関係性がよくわからず(笑)。それと同時に、『読もう』を読んだ時と同様に、浄瑠璃の世界って、著者が言うように、相当にぶっ飛んでいて、ご都合主義で、訳がわからないものなんだな…ということは認識できたか。いみじくも著者が言及していたが、今日のような個人というものが確立されていなかった時代の作品を今日的な尺度で計ろうとするのは、無理があるのかも。また、実際に浄瑠璃を見れば、文章では伝えきれない魅力を覚えるのかもしれないが。要再読本。2021/06/13




