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内容説明
《技は選手の自己紹介のためのツールに過ぎない》
《人気が出るキャラクターには共通する要素がある》
世界最高峰のリングWWEからインディー団体まで、日米マット界の「光」と「陰」を知る著者がはじめて明かす熱狂を生み出す「サイコロジー」のすべて。
自身の圧倒的な経験値をもとに綴る、目からウロコのプロレス論!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りんご
48
プロレスはエンタメで、パフォーマンスで、格闘技で興行だ。なるほど面白い本でした。元々梶原一騎作品を敬愛してて、プロレスも漫画もキャラクターが大切である、と考えてるTAJIRI。ハッスルの制作に携わったご縁で小池一夫先生の劇画村塾で漫画原作についても学んじゃう。ストーリーって大事だよね。プロレスにもサイコロジーが必要。ここで言うサイコロジーは、私が読む限りは演者と観客で納得いく動機でありストーリーだと感じた。2024/02/26
Y2K☮
35
偶然だと思うが、新日本1.5ドームのバッドエンドを咀嚼するヒントを得られた。あと自身を「創作家」と定義しているのも興味深い。サイコロジーというと小難しく聞こえるが、要は「こうしたら、こうなる」という観客心理の操作。まず重視すべきはキャラクター。技はそれを補完するもの。と同時にキャラはその人本来の資質に沿うものじゃないと上手く伝わらない。劇画塾で学んだらしいけど、まさに著者は小畑健「バクマン。」における秋人タイプだ。即ち天才型ではなく考えて計算して物語を組み立てる。創作法を学ぶ上での入門書にもなり得る一冊。2020/01/08
Y2K☮
29
高橋ヒロムとのシングルを見たい。頑固で奇抜な陰と陽のキャラクターがぶつかって何が生まれるか。小柄なのは一緒だが著者はヒロムとは異なり、派手な大技を使わない。ハンドスプリングエルボーぐらい。手持ちの武器をあれこれ組み合わせ、知恵を絞って相手の隙を突き、するりと勝ち抜ける(以前、全日本であの鈴木みのるを場外リングアウトで倒したこともあるのだ)。これもプロレスが人生の縮図と呼ばれる所以。カネのある者、若くて人気ある者、力の強い者が常に勝つとは限らない。奴らのできない事で戦う。これも客を味方につけるサイコロジー。2020/05/15
くさてる
20
日本のプロレスには疎いのですが、一時、WWEにハマっていたことがあります。それがタジリさんがWWEに在籍していた時期とぴったり重なるため、WWEに関する部分はとても面白く読むのと同時に、ちょっと苦い部分もあったりして読み応えありました。すべてが書かれているわけではないのでしょうが「プロの仕事」としてプロレスを突き詰めて考えているあたりが面白く、そしてそれはこれからもまた発展していく考察なのだろうな、というところが興味深く読めました。良かったです。2020/04/22
緋莢
16
<「基本的な身体能力」や「一定以上の技術・強さ」はあって当たり前。そのうえで「どう表現していくかの世界であると思う>日本のインディー団体でデビューし、海外でも試合をし、後に世界最大のプロレス団体・WWEに所属、帰国後は団体運営にも携わった著者がプロレス観について書いています。人に見られていることを意識できるか「プロレスにおけるキャラクターは、その人がもともと持っている素質を活かしたものでないとうまくいかない」というのも面白いですが(続く2020/07/02