内容説明
世界の大部分の国が腐敗・汚職に悩んでいる。しかし、汚職を撲滅した国もちゃんと存在する。汚職は、個人の「悪」の問題ではなく、構造の問題であり、法律だけではもちろん止められない。また民主主義でも無くせない。「汚職の均衡」をいかにして転換するか? 「悪」を糾弾するのではなく、その仕組みを理解することが汚職撲滅のカギとなる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まると
9
ワン・イシューとして汚職について書かれた本はあまりないので、こういう本が訳されたこと自体に意義はあると思う。腐敗を均衡と捉える考え方や汚職の各国事例が興味深い。ただ、各節の結論がはっきりせず、読んでいる時はモヤモヤ感、イライラ感が募った。汚職の要因や改善手法は、国ごとに事情が複雑なため、共通項となる法則めいた理論は構築できていないのだろう。日本の汚職は平成初期に比べると格段に減ったと実感しているが、それは検察や警察、新聞が割と機能していたから。司法とメディアの現況を見る限り、楽観などできるはずもない。2020/06/25
vonnel_g
3
イメージでは低所得の国では必ずついてくる公職への賄賂だけれど、データによると低所得でもクリーンな国や地域があるという。では汚職ってどんな条件で発生するの?現在汚職が比較的日常的ではない国はどうしてそうなった?汚職を減らすには?をデータを基に解説する。みんなにそれを認識させる、の一例としてスーパーボウルのアップルのCMを出していてちょっとしみじみしてしまった。2021/09/02
こうじ
3
うーん、なんていうか、そんなに難しく考えなくても良くない?という印象。そりゃ、たしかに政治の腐敗にはいろんな要素はあるだろうけど、難しく分類や分析しすぎている気がするなぁ。2020/02/01
人生ゴルディアス
3
汚職について。『開発と汚職:開発途上国の汚職・腐敗との闘いにおける新たな挑戦』も同様の内容だろうけれど、こっちは専門的過ぎて眠気に勝てないと思うので本書はすごい読みやすいので助かる。専制政治と民主主義では実は汚職の度合いは変わらず、所得が上がることで汚職は減る傾向にあるとか、汚職と要因のあるものはなにかという探求は興味深い。直観に反する事例はトリビア的面白さ。例えば南米=汚職だが、チリは例外とか。翻訳について一点、山形浩生の手がけた最近の本でよく見かける「はいはい」みたいなのがとても鼻につく。2019/10/26
☆ツイテル☆
2
フライヤー2021/10/25