内容説明
敗戦直後の焼け跡・東京で、ウニ三という正体不明の男が、どぶにはまって変死。その位牌は、まるで死のバトンの如く引き受けた男たちに、つぎつぎと無造作な死を招き寄せる。絶対的価値が崩壊した後、庶民はいかに生き、いかに死んでいったのか? 独白体、落語体、書簡体など、章ごとに文体を変え、虚無と希望の交錯する時代を活写。『軍旗はためく下に』の戦争テーマを深化した、純度高い傑作。焼け跡闇市に生き、死んだ、無名の人たちへの哀歌! 吉川英治文学賞受賞作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
wei xian tiang
2
焼け跡、闇市、安アパート。畳のカビやカストリ焼酎の匂いさえしてきそうな逸品。冒頭のつかみも良く飽きさせないがタイトルが今ひとつ。2013/04/29
non
1
時代だけに重いけれど、さくっと読めた。2012/12/13
なぐね。
1
たまにはこういうのもいいなぁ。プロットが複雑なので、一瞬立ち位置を見失うけど、最後はなるほどという結果があっていいです。2009/08/16
HARU3
0
戦後という時代 普通の人達の生活、死が淡々と語られ、ミステリーというより文学作品といえる。私にとっては、前半章ごとに変わる文体も含め、分かり辛かった。★★★☆☆2011/08/10
hieishi
0
登場人物の名前を覚えていないうちにどんどん話の視点が変わってしまうので、何度もわけがわからなくなった。『暗い落日』のような展開を期待していたのであまり楽しめなかった。2008/06/05