内容説明
私たちは元気なときもあれば、病気のときもある。「がんです」と診断されても自覚症状がない場合もある。その境界線はどこにあるのだろう？ 病理医ヤンデルが教える病気のしくみ。
目次
プロローグ 「病気と平気の線引きはどこ？」
第1章 病気ってどうやって決めるの？
第2章 それって結局どんな病気なの？
第3章 病気と気持ちの関係は？
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Aya Murakami
121
県立図書館から取り寄せた本 病院に行くべきか行かないべきか（時期柄変な病気をもらってくるリスクをかんがえると患者にとって重要な問題）、救急車を呼ぶべきか呼ぶべきでないか（これも患者や家族にとって世間体の問題アリ、しょうもないことで救急車を呼ぶなというポスターも貼っていることです） 病気とは複雑系。人体も複雑系。複雑なものをちょっとずつ糸をほぐすように未来予測することが病気への対処の近道なのかも？風邪とはいえ簡単にかんがえちゃダメということですね。2021/04/29
ホークス
53
2020年刊。著者は42歳の現役医師。どこからが病気かは難しいテーマだけど、とにかく分かりやすく病気について教えてくれる。風邪と肺炎はどう違うか、アレルギーに括られる病気の本質は何か、そもそも医師はどのように診療を進めるのか。自分の無知を思い知る話ばかり。ざっくり風邪はウイルス、肺炎は細菌が原因で、ウイルスには抗生物質が効かない。私も罹っている高血圧は、血管の耐用年数をどんどん下げてしまう。本来人間の寿命は50年以下で、長生きすると遺伝子エラーが蓄積してがんになりやすくなるのは宿命。たまには勉強しよう。2020/11/11
Twakiz
37
「病理医ヤンデル」として露出も増えてきている先生の著書「病気」と「健康」の境目は？というテーマ．人間の身体は複雑系．一つの原因で一つの病気が起こるようなシンプルなシステムではない．また「原因」が必ずあるわけでもない．医療は時間軸．その通りです．それをきちんと分かっている医療者も，患者もなかなかいないのが現実．因果な商売です．ところでどこからがコロナなの？2020/09/05
タルシル📖ヨムノスキー
31
さすがちくまプリマー新書。コレは面白い！病理医の著者が「病気とはなにか」について優しく解説している本。「病気と平気はどう違うのか」といった話から始まり、風邪やアレルギー、高血圧や癌について解説しながら、病気とどう向き合っていくかについて話を広げていく。特に人体をひとつの「都市」に例えて高血圧の話を進めていくところがとてもわかりやすい。それと人の寿命の話。「そもそも人間の体は今の寿命を全うできるようにはできていない」というのには納得。それとまさか癌のステージをチンピラ→ヤクザ→国際マフィアに例えるとは。2021/10/09
活字スキー
25
Twitterで「病理医ヤンデル」としても活動されているという著者による、医療リテラシの入門書。中高生をメインターゲットに、とにかく「分かりやすさ」と「医学としての正しさ、難しさ」を両立させようと誠実に努力されていることがよく分かる良書。一人ひとりが健康や医療に対する意識を高めるためにも広く読まれてほしい。似非科学に対する舌鋒の鋭さには好感を覚えるが、「複雑系」を強く主張するのならもう少し西洋医学以外にも目を向けても良いのでは、とも。2020/05/05
