内容説明
本書は、「世界No.1製品」を生み出し、高品質に量産するために必要な「開発設計プロセス」の全てを解説した初めての書です。自動車から電機、産業機械まで製造業が、競合企業を打ち負かす世界一の製品を生み出し、かつ高品質に量産するために何をすべきかをこの1冊に凝縮しました。著者は実務経験が豊富な元デンソーの開発設計者です。
製造業の基本は、競合企業に対して「優位性」を確保し、それを踏まえた上で、お客様の「信頼」を保ち続けることです。そのためは、それにふさわしい設計段階の取り組みを行わなければなりません。
設計段階の取り組みは、「先行開発段階」と、この設計力のアウトプットを受ける「量産設計段階」の取り組みで構成されます。本書は、量段階を踏まえた上で世界No.1製品を生み出し、かつ造るために必要な普遍的なプロセスを体系的に解説しました。
先行開発段階の取り組みは、世界No.1製品を実現し得るダントツの目標の基本コンセプトを決め、技術的なめどを付けることです。本書は、先行開発段階の全ステップ、ダントツ目標の満たすべき要件、達成を阻害する要因の打破について取り上げます。
一方、量産設計段階の取り組みは、先行開発段階でめどを付けたダントツ目標値の品質を“120%”まで高めるための活動です。つまり、100万個造ったとしても、1個たりとも品質不具合を出さないための取り組みです。具体的な事例を踏まえながら、量産設計の全ステップや技術知見、評価基準など「7つの設計力」要素を取り上げて詳しく解説しました。
開発設計を率いるマネージャーやリーダー、開発者・設計者はもちろん、経営者や他部門のマネージャーにも一読の価値があります。
目次
【第1章】設計者とは何か、設計力とは何か
1.設計とは、設計者とは、そして設計力とは
2.CADに着手するまでが勝負 ほか
【第2章】「先行開発」が優位性を、「量産設計」は信頼をもたらす
1.設計段階の取り組み事例
2.設計段階の活動が品質とコストの80%を決定する」 ほか
【第3章】ダントツ目標値を実現する先行開発段階の取り組み
1.ダントツ製品とは
2.ダントツ製品のめどを付ける基本フロー[1]先行開発と量産設計の基本フロー ほか
【第4章】品質“120%”を達成する量産設計段階の取り組み
1.品質不具合は古くて新しい課題
2.品質不具合を減らすには、同じ失敗を繰り返さないこと ほか
【第5章】設計段階の取り組みの形骸化を防ぐ
1.7つの設計力を順次そろえる設計力を順次そろえる上での留意点
2.特に気をつけなければならないこと ほか
【第6章】ダントツ製品を達成する設計者のあるべき姿
1.先行開発と量産設計の設計力の比較
2.変革のWAYと守るべきWAYの両立 ほか
【第7章】Q&A:設計者に共通する7つの悩み