内容説明
2011年に勃発したシリア内戦が拡大し、ISが故郷に迫る中、クルド人青年は自らも同胞たちの抵抗運動に加わるため10年ぶりに帰還。狙撃の腕を買われ、小数精鋭のスナイパー班の一員として掃討作戦を展開する。最新兵器で重武装した12,000の殺人鬼たちに対するのは、40年前の銃を持った2,000の志願兵。敵を一人ずつ仕留めるしか道はない。街奪還までの死闘を、少数民族の歴史とともに綴る。
感想・レビュー
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スー
20
46ISの進撃を食い止め敗走させたコバニ包囲戦、コバニを守るために多くのクルド人が志願した人達の中に筆者もいた。クルド人部隊には女性部隊と男性部隊がありこの部隊二千名がIS一万二千名と戦った。筆者は五人の精鋭スナイパー隊に属し合計で千八百人を倒したと言われる。コバニはスターリングラードと云われるほどで破壊された家にそれぞれが布陣し陣地の奪い合いとなる。休む事もできず長時間ストレスにさらされ極限状態で戦い続けた兵士達がどうなるかが分かりました。戦後は墓地や自分が戦った場所を巡るのがリハビリのように感じた2021/03/27
スプリント
6
戦争が国家間ではなく、民族間で行われていることが強く実感できました。2020/03/28
犬都歩
1
口絵のカラー写真で微笑む、そのへんのマクドナルドのレジに並んでてもおかしくないような、穏やかな表情に見える仲間たち。でも実際は、人数でも装備でも圧倒的に勝るIS相手に信じられないほどの勇気と高邁な精神をもって(性別問わず)血みどろの戦いをし、彼らの大半はすでにISに殺されている。日本ではそんなこともほとんど知らなくても変わらずに生きていけるけど、それは日本が自由だから?「イギリスでは、ある日目を覚まして、作家になろうと決意するのもまったく普通のことなのだ。これが自由ということなのだろう。」2021/08/15