内容説明
無口で地味な派遣OL潔子は、困った同僚・神経質な上司・いじわるな友人たちに悩まされる日々。実は彼らには、謎の憑き物が…。潔子の怒りが爆発するとき、飼い猫=古来の憑き物・猫魂と合体して、黒ずくめの美女に変身する!第4回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞した痛快エンターテインメントにして、『わたし、定時で帰ります。』著者のデビュー作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
258
4話連作短編。奥付を見ると2019年初版発行とありますが、紆余曲折があっての、2010年に出版された帰子さんデビュー作の再文庫化なんですって。潔子さんに様々な厄災(?)が降り掛かるのです。それは相対する人に外来種の何かが憑依しての事なのね。その憑き物を、猫魂であるメロ(吉備唐麻呂←聖武天皇から賜った)が潔子さんに憑依して退治し解決するというコメディ。話の展開に決まり事が幾つもあってね。その中で、いよいよ最終盤になると、何処からか深夜アニメの主題歌である、暗い少年合唱団の歌声が聴こえて来る所がね好き。2025/08/15
Kanonlicht
28
冴えない派遣OLが、古来より一族が使役してきた憑きものの猫の力を(無自覚に)使って、会社のやっかいな面々(彼ら彼女らも外来生物に取り憑かれている)を懲らしめていく勧善懲悪の話。なのだけど、猫視点で描かれているからか、ヒロインが意識を失っているうちに憑き物退治が行われるからか、スカッとするようなカタルシスはそんなにない。設定は面白くていくらでも続編が書けそうなのに、結局書かれなかったのもそのあたりに理由がありそう。2023/09/13
朗読者
17
感動☆1つ 「わたし定時で帰ります」の朱野帰子さんのデビュー作。 地味なアラサーOL潔子と、その飼猫メロ(正体は憑き物)が、潔子にハラスメントしてくる会社の同僚たちを夜な夜なとっちめていく物語。 ストーリーは単純で読み応えもあまりないが、出てくるハラスメントは現実にはよくありそうで、この手の輩に悩まされている人は多いと思う。 「わたし定時で」の下地がこの作品には溢れていました。2020/09/20
NAOAMI
15
地味で口下手で化粧も自分磨きにも消極的なアラサーOL潔子。派遣社員という微妙な立場もあり日々会社から鬱々とした事象を持ち帰る。その元凶が相手になった同僚らに取り憑いた動物や植物だと言うから話はどうなる?と引き込まれる。彼女と暮らす齢千何百年の猫が潔子に取り憑き、地味キャラを確変させて仕返し溜飲を下げる。勧善懲悪モノ。アラサー独身に浴びせられる固定観念、女同士の嫌味、上司のハラスメント。潔子のストレスが恨みとなり怒りが頂点に達すると発動する猫魂キャラ。彼女本人の超マタタビ体質も炸裂するあたり活劇的でもある。2020/12/03
たぁ。
13
「わたし定時で帰ります」とはぜんぜん違った話でした。猫魂。そうか、性格がキツイ人って、何かに憑かれているんですね。(お話的には、ふぅ~ん、って感じでした)2021/05/19
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